CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ46)

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対面した五人と二人。お互い武器に手はかけずに、先程からうらたさんと手前にいる藍色の髪の男性が話している。自分たちは何者なのか。ここに侵入した目的は。

──先程から、藍色の髪の男性の後ろにいる白い、獣人の男の子に睨まれている気がする。…知り合い、じゃなさそうなんだけれど。白い髪に大きな猫の耳、同色の尻尾にルビーのような真っ赤な瞳。

その下にはバーコードのようなものが刻まれていて。あれ、知り合いじゃないかもしれないけれど、この特徴を持つ子をどこかで見たことがある、ような。

「お互い邪魔はしない、てことでいいか」
「行き先は同じかもしれないけど、目的は違うしね。それじゃ、ここで──」

話がついたのだろう、分れてお互いの目的地に行くらしい。と皆が歩き出そうとしたその時。突如けたたましいサイレンの音が鳴り響き、施錠されるような音が近付いてくる。

「あっ、やっべ」
「警備員の件気付かれたんちゃうこれ」
「…何、君ら何かしたの」

藍色の髪の男性にジトっとした目で見つめられ、言葉に詰まる。坂田くんが曖昧な言葉を口から出せば返って来たのは溜息で、「まあいいか」と私達に背を向けた。

そうこうしているうちに複数の足音が聞こえてくる。おそらくここの警備員だろう、見つかる前に急がなければならない。

「とりあえず一旦ばらけるぞ、３、２で──」

後々合流する、とりあえず今は警備員を撒くことに集中しろとうらたさんが告げる。こくりと全員が頷き、私の名前を呼んだセンラくんの方へ私が走り出すと──

「ッ、A！上！」

悲鳴のような叫び声だった。一瞬何が起こったかわからずに、私の名前を呼んだ坂田くんの方向を見ると。前から突き飛ばされ、勢いよく地面へと倒れ込む。

痛みに顔をしかめて顔を上げようとしたその時、視界が突如真っ暗になる。否、黒い壁が上から降って来たのだ。

今、これに挟まれてしまいそうだったのか──と思わず息を呑む。喉の奥が締まるような感覚、遅れてそのことを実感したことによる驚きと恐怖に鼓動が早くなる。

「A！」
「せ、センラく、ん」

私を突き飛ばしたのはセンラくん、だったらしい。黒い壁の向こうからそれを叩くような音、私を心配する声。返事をして無事であることを伝え、深い呼吸を繰り返す。

────死ぬ、かと思った。