17 ー小話ー舞踏会ー ページ17
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金色に輝く大理石の上、
ふたつの足音がリズムを刻んでいた
「ナミよ。もうちょっと体を密着させてもいいのだぞ？」
マレウスは不思議がってナミを見つめた
マレウスは踊っていて、少し距離が空いているように感じていた
「お前にはもっと近くにいてほしい。ほら、このように」
マレウスはナミの腰を引き寄せ、
鼻と鼻がぶつかりそうな距離まで詰めた
ものすごく近い
ブチっ
どこかでそんな音が聞こえた気がした
「あの女、悪党と距離が近すぎではないのか？」
ロロだ
ロロが隅っこでマレウスたちのダンスを恨むように見ていた
ナミの腰を掴むマレウスの手に着目している
「フッ」
そんなロロの反応を楽しんでか、マレウスの行為はどんどんエスカレートしていく
「ナミよ。頬にケーキのクリームがついているぞ」
「？」
ナミはマレウスを見上げた
するとマレウスは黒い手袋をはめた指先をナミの頬に押し当てた
「やわらかいな…」と頬をもむ
やがてその指先は下に下がり、
ナミの唇をプニプニと叩き始めた
ブチっブチブチ
「なんなんだアイツら。ああいったことは、他所でやりたまえ」
ロロのイライラが増す
真っ赤な顔で猛烈に怒り、マレウスを睨んでいた
マレウスは「愉快だな」とクスクス笑っていた
「…」
ナミはそんなマレウスを見て
新しい友達ができてよかったと嬉しがった
ガーゴイルもそうだ。ユウ以外にも、ここでは他の友達ができたことに
マレウスに唇を触れられていることもかまわず、クスリとナミは微笑んだ
「……」
マレウスは目を丸くした
口がバッテンになってしまっている
ナミの笑顔に面食らっていた
「…すまなかった。フランムを嫉妬させたく、お前を道具として扱ったのが悪かったのだな」
マレウスはそう呟く
まるでナミが構ってとアピールしていると勘違いしているような
マレウスは「よかろう」と満足そうに口角をあげた
「お前には特別だ」
マレウスはナミの腰を両手で抱き寄せ、
口に近づき
そっとその柔らかい唇を奪ってしまった
「！！ マレウス・ドラコニア…！！！！」
ロロは汽車のように煙を頭から出し、マレウスを名指しし、怒った
ロロのかわいらしい嫉妬心は、火山の噴火のように爆発してしまった
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作者名：真灯 | 作成日時：2022年11月27日 10時
