六章 ページ6
死んだ私からすれば、人が死んだからって泣いて悲しむような事はない。
けれども、今回乱歩さんが行った事件は、多くの人が泣いて悲しむ事件だった。
世界的にも有名な作家がー誰かの手によってこの世から消された。
「私もこの作家さんの本好きでした。生きてた頃、よく読みましたよ」
乱歩さんの隣で云うと、乱歩さんは帽子を取って、神妙な顔つきで遺体を見つめていた。
顔には布が被せられていて、赤く染まった白い和服が痛々しかった。
「昨日の朝頃に殺されたらしい。発見がだいぶ遅れて、今日の朝になったらしいけどー」
「殺されたのは童の知人じゃ」
すぐ近くで声がした。見れば、黒髪を一つに結った美人な女の人が立っている。
「翠は昨日、こう云っとった。『先日私宛に脅迫文が来た。後々殺されるかもしれない』と。……その通りになった訳じゃが」
服の袖で涙を拭う女の人を、乱歩さんはじぃっと見つめている。
「ねえ、おばさん。名前は？」
不意に口を開いた乱歩さんは、失礼極まりない事を云う。
お、おばさん………。
「童の名か？童は阿部麗。ご機嫌麗しゅう？」
「ご機嫌？最悪さ！何たって目の前に嘘つきがいるからね、気持ち悪いよ全く」
乱歩さんの言葉に、目を見開く。
「嘘つき？」
「だっ、誰の事じゃ！小坊主、目の前には童しか居らんではないか！童が嘘つきだと、そなたはそう云うのか！」
「うん」
乱歩さんは、あっさりと頷いた。
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茉里 - ありがとうございます！続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします！ (2019年6月4日 19時) (
レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編のほうも応援させていただきます！！ (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ！勿論です！ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました！新作書いたらまたよろしくお願いします！ (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉里 | 作成日時：2019年5月27日 21時
