検索窓
今日:19 hit、昨日:6 hit、合計:60,645 hit

三十章 ページ30

お母様ー
どこにいますか?

幽霊………否、正確には魂か。とにかく、空を飛べるって便利だねぇ。あっという間に京都まで着いちゃったよ。

『僕らは新幹線に乗るしかないからねぇ。君は空飛んでびゅーんでしょ?ちょっくら行ってきてよ、もしいなくてもびゅーんで帰って来られるだろうし』

乱歩さんにそう云われて、「えーそうかな?」と思ったけれど、本当にそうでした。
早く飛ぼう、早く飛ぼうってその一心だったけど、時間で表せば多分一秒にも満たないと思うなぁ。
我ながら本当にびゅーん!だったよ。

「えーっと、鈴を鳴らしたら皆さんにも見えるようになるんだよね。現に与謝野さんが見えてたし」
呟きながら、ネックレスのようにしていた鈴を手に取り、チリンと鳴らす。
相変わらず綺麗な音だなぁと感心していると、いきなり「君」と声をかけられた。
「えっ?はい」
見れば、背の高い男の人が立っていた。
心底驚いた顔で、私を見つめている。

「君、川海夏さんじゃない?事故で死んじゃったはずじゃあ」
「…………………………………え?」
あ、あああああっ!
そうだ、世間一般的には私は「死んだ人」なんだ!
「あ、あ、あの、ごめんなさい忘れてくださいお願いしますっ!」
慌てて近くの路地裏に飛び込み、鈴を鳴らす。
男の人が追ってきたみたいだったけど、首を傾げていたから、私が見えてないみたいだった。

お母様を発見してから、鈴を鳴らした方がいいかな?
そう考えながら、ふわ〜っと飛んだ。

三十一章→←二十九章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。