三十章 ページ30
お母様ー
どこにいますか?
幽霊………否、正確には魂か。とにかく、空を飛べるって便利だねぇ。あっという間に京都まで着いちゃったよ。
『僕らは新幹線に乗るしかないからねぇ。君は空飛んでびゅーんでしょ?ちょっくら行ってきてよ、もしいなくてもびゅーんで帰って来られるだろうし』
乱歩さんにそう云われて、「えーそうかな?」と思ったけれど、本当にそうでした。
早く飛ぼう、早く飛ぼうってその一心だったけど、時間で表せば多分一秒にも満たないと思うなぁ。
我ながら本当にびゅーん!だったよ。
「えーっと、鈴を鳴らしたら皆さんにも見えるようになるんだよね。現に与謝野さんが見えてたし」
呟きながら、ネックレスのようにしていた鈴を手に取り、チリンと鳴らす。
相変わらず綺麗な音だなぁと感心していると、いきなり「君」と声をかけられた。
「えっ?はい」
見れば、背の高い男の人が立っていた。
心底驚いた顔で、私を見つめている。
「君、川海夏さんじゃない?事故で死んじゃったはずじゃあ」
「…………………………………え?」
あ、あああああっ!
そうだ、世間一般的には私は「死んだ人」なんだ!
「あ、あ、あの、ごめんなさい忘れてくださいお願いしますっ!」
慌てて近くの路地裏に飛び込み、鈴を鳴らす。
男の人が追ってきたみたいだったけど、首を傾げていたから、私が見えてないみたいだった。
お母様を発見してから、鈴を鳴らした方がいいかな?
そう考えながら、ふわ〜っと飛んだ。
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茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時