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You side


フョードルさんがそう子供たちに伝えてから、私は彼の言葉をずっと反芻していた。

君の言う通り、君の言う通り、君の言う通り……。これ即ち、彼が“僕と彼女は恋人関係にあります“ということを肯定している事になるだろう。――あれ!?いつの間に私たち恋人になったんでしたっけ!?


「ちょ、ちょっとフョードルさん!?」


「おや、何か不都合でも?僕はただ、純粋な子供たちに真実を伝えたまでですが」


彼はそう言って、私にそっと目配せをした。
私には読心術なんてないし、ましてや彼の事さえよく知らないけれど、今の彼は“嘘をついて下さい“と私に伝えているように感じた。
そんな彼に返事をするようにして、私も目配せを返した。


フョードルさんは優しい人だから。きっと、純粋な子供たちを落胆させたくないのだろう。まぁ、本当の事を言ってあげるのも、子供たちの成長の手助けにはなると思うけど。


フョードルさんのサポートをするため、私も彼の話に辻褄が合うよう話を合わせた。


「……そ、そうでしたね!すみません、忘れちゃって。あは、あはは……」


どうしよう。このままじゃ2人にバレるのも時間の問題かもしれない。
声は震えるし、目は泳ぐし……何よりも、我ながら演技が下手すぎる。これには世紀の大根役者もびっくり仰天だ。


そう思っていた最中、私の後ろから温かな感触を感じた。哀れな私が心配になったのか、はたまた可笑しく思えたのか……フョードルさんはまるで子供をあやすような優しい手つきで、私の背中をそっと撫でていたのだ。


「Aさん、落ち着いてください。……大丈夫。あなたが焦らずとも、必ず僕が何とかしますから」


ゆっくりと背中を撫でながら、フョードルさんは私の耳元でそう囁いた。綺麗でどこか怪しげな彼の声は、果たして耳に良いのか悪いのか。


フョードルさんの優しい手つきと囁かれた言葉に促されるように、私は小さく深呼吸をした。これだけで、なんだか心が軽くなったような気がしなくもない。
気を取り直して……子供の純粋な心を傷つけないためにも、私が頑張らないと。


「……あ、あのね」


だがしかし、肝心の言葉が出てこない。これには台本なんて無いから、私は行き当たりばったりで口先だけの事を言っていた。

・→←1-2:魔人と聖女、そして2人の少年



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びねつ(プロフ) - 夜のお魚さん» お褒めいただきありがとうございます……😭😭そう言って頂けると凄く嬉しいです🥲応援を糧に更新頑張ろうと思います‼️👍 (2月27日 20時) (レス) id: 50028a7fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:びねつ | 作者ホームページ:-  
作成日時:2024年2月25日 20時

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