PROLOGUE ページ1
横浜の街外れた森に、古びた教会が1つあったそうな。
子どもの一蹴りだけで途端に崩れてしまいそうなその教会には、勿論誰も訪れようとはしなかった。
また、その教会にはある1つの噂があったそう。
「あの教会の礼拝堂には"魔人"が出る」と。
この噂の出所や詳細は全く持って分からず、しかしそれが嘘であるという確証も無い。
そこで、ある1人の若者がその教会を自分の身1つで訪れたそうな。
しかし、彼は礼拝堂の中でとんでも無く恐ろしい目に遭ったようで、そこでの出来事を話そうとはしなかった。そしてそれっきり、若者は件の教会に足を運ぶことは無かった。
結論から言ってしまうと、その教会に魔人は現れない。実際の所は、虚弱体質の青年が1人来るくらいだ。
それと、ありもしない噂を聞いて今日も窓際で涙ぐむ少女が1人。
彼女は今日も、自分の教会に何とか人を入れようとする。しかし、彼女の願いは"彼"がいる間は当分叶いそうにないようだ。
「あ、いらっしゃいませ!さぁどうぞ中に……って、あれれ!?ちょっと、な、なんで行っちゃうんですかー!?」
「ーーおやおや、Aさん。こんな鼠一匹しかいないような所で、一体何をなさっているのです?」
純真無垢な聖女はまだ、唯一の訪問者である彼の正体を知らないようです。
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びねつ(プロフ) - 夜のお魚さん» お褒めいただきありがとうございます……😭😭そう言って頂けると凄く嬉しいです🥲応援を糧に更新頑張ろうと思います‼️👍 (2月27日 20時) (レス) id: 50028a7fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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