求愛行動【浦島坂田船】 (ページ21)

今日:34 hit、昨日:19 hit、合計:96,422 hit

15話ページ21

side yuzu

Aと一緒に屋上に来た
もう夏だし太陽に近い屋上はかなり暑い

だけど、親友の一大事だし空き教室で万が一通りすがりの誰かに話でも聞かれたら面倒だ
そういう事情もあって暑い時期は中々人が来ない屋上で話をすることにした

由「で、どういう事なの？なんで今更鬼頭組に連れ去られたわけ？」
『それがね――――』

連れ去られた事情と今何処に居るかを手短に教えられた。婚約者候補が高校の王子だと言うことには驚いた

由「浦田組ね〜」
『はぁ、めんどい』
由「うーん…問題はなんで鬼頭組の幹部の娘って気付かれたかだよね」
『多分そんなんは素性調べればすぐわかるんだと思う。なんせ相手はヤクザだしね』

でも、なんで調べようと思ったかは分かんないのか…
うーん………
どうしようかとAの顔を見た
此奴何も考えてないな

由「ねぇAさ、今考えんのも面倒臭いって思ってたでしょ」
『うん、バレた？』
由「当たり前でしょ！何年一緒にいるとおもってんの？考えなさい！」ﾍﾞｼｯ

いつも叩かれる側の私が叩いてやった

けど、真面目に言って逃げれるような感じでは無いのは想像がついてる
もう詰んでんじゃん？←

『だって、もう詰んでるしはっきり言って逃げようが無いんだよ』

同じこと考えてたか
まぁ誰にでも想像つくか

由「だよねー。それにしても王子共の奪い合いか、他の女子なら喜ぶんだけどね」
『私はあの人達に興味はありませーん』
由「知ってる、けど一応聞いとく一晩過して王子達の印象は変わった？」

これで変わったって言ってくれればまだこの子が鬼頭組の道具だって意識も薄まるはず

そう思って聞いたが

『うん、ヤクザのタラシから意味分からんおかしな人達に昇格した』
由「いや、昇格なのそれ？」

昇格ってなんだ？←
予想はしてたよ、Aはイケメンに興味が無いからね

『あー、でも…』
由「ん？」
『優しい人達だとは思った…かな？』

驚いた…そんなこと思ったなんて

由「そっか」

親友の成長は嬉しい、でも離れていくかもしれないのは寂しいな
複雑な心境だな…って私は保護者か！

1人でツッコミを入れる

『どうしよっかな』
由「どうしよーね」

何も思い付かず行き詰まった
ふと、スマホを見るともうすぐHRが始まる時間だった

由「そろそろ教室行こっか」
『ん？もうそんな時間か…そうだね行こっか』

To Be Continued