学校行きたくない (ページ10)

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「いつから自分で行くの？」
「いつか」
「いつかっていつ？もう一年よ？一年」
「知ってる。でもしょうがないじゃん」
「しょうがなくないから」

お母さんが呆れたように私を見た。
私は車の窓の外の雨を見る。
起きたときよりも酷くなってきている。歩いて登校している子たちはさぞ大変だろう。

車で送り向かいされてる(させてる)私、高みの見物。

「そろそろ学校つくからね」
「分かってるよ」

私は一年のこの時期くらいから送り迎えしてもらっている。
理由は朝、起きれないからだ。

一年も送り迎えされてるとは。
なんか優越感を感じる私はもう末期だろうか。

「学校嫌？」
「前のクラスの方が良かった」
「前のクラスのときもそう言ってた」
「でも、それは三学期からでしょ？去年の今ごろは夏休みなんでくるの状態だったし」

去年の今ごろは私は学校大好き人間だった。
そりゃもちろん勉強は嫌いだけど、クラスの中心に近い人物だったし、友達も多かった。
何よりみんな私を理解してくれた。
楽しかった。いじめなんてない良いクラスで、上下関係だってほぼ無いに等しかった。

まぁ、三学期の後半からは男子のからかいがエスカレートしたから嫌になったんだけど。
今じゃ考えられないくらい私が明るかったのは確かだ。

たしか、あの男子今は八組だったっけ……。

車が校門の前でとまる。

「行ってきます」
「行ってらっしゃい」

私は車から出て、人間地獄(人間の欲望が詰まりに詰まった最悪な地獄)に匹敵するほど最悪な学校へと向かった。傘は差していない。