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ボーっという効果音がつきそうなほどボーっとしてるだけの私はベッドで上半身だけを起こして窓の外を見ていた。

まだ温もりを感じる、掛布団がないベッドととは正反対の寒そうな雨。
___冷たそうだ。
この時季には珍しくない大雨が降っていた。
梅雨前線とか天気予報で言ってたな。
多分、それの影響だろう。それに、最近台風が近づいているらしいし。

……この雨、今日、何か悪いことが起きる予兆なのだろうか。
いや、そんなわけがない。いくらなんでも考えすぎだろう。

ザーザーと地面に叩きつけられる雨粒。
雨粒に心があったら、きっと泣き叫んで、訴えるだろう。
___どうして雲は僕らを突き落とすんだ!…と。
そしたら雨の日はうるさすぎて皆外に出ようとは思わないだろう。
学校も閉校するのではないだろうか。

そしたら…そしたら……とってもいいと思うんだけどなあ。

「A〜!!」

下からお母さんの声がする。

「起きなさい〜!」

起きてるんだけどね。

「はーやーくー!!」

もう、そんなに言わなくても分かるってば。

私はゆっくりと立ち上がり、ドアを開けて自室を出た。
階段はひんやりとしていた。

「おはよう…」
「おはよう。さっさと食べて、着替えて」
「うん」

リビングに行けば、スーツ姿のお母さんがいた。
その傍らにはアヤがいる。
お母さんの足にスリスリと身を寄せている。正直、お母さんが羨ましかった。

「何してるの。アヤばかり見て」
「うん」
「パン食べちゃって」
「うん」
「A!!」
「……はい」

気の抜けた返事をしてテーブルにのっているパンをとる。
そして、そのままトイレに行き、用を足しながら食べる。

汚いとか関係なかった。
時間が大変ヤバそうだからだ。
こうして時間を節約しなければ、遅刻してしまう。遅刻したら、クラスで目立ってしまう。
それだけはどうしても避けたかった。

__ドンドンッ!

「ふぁひってまふ」
「何言ってんの?パン食べてんの?」
「ひえふ」
「はあ?早く出てよね!」

4つ下の生意気な妹だ。
名前は藍だ。藍はいつも私に食ってかかってくる。

「いいじゃん別に。時間も時間だしさ」

口に入っていたパンを飲み込み言った。すると、藍は怒鳴り散らした。

「いいからさっさと出てよ!!藍も藍で大変なんだけど!?」

私はため息をついて、トイレの水を流した。そして、鍵をあけ、トイレから出る。

ドタバタと、藍がトイレに入っていくのを見てからリビングに戻った。

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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