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……長い沈黙だ。
「……あの……!」
誰かの声が聞こえた。
誰だろう、と思って周りを見渡す。
すると、こちらにかけてくる人がいた。クラスの女子だった。
「Aちゃん、こっち、来て!」
その女子に手を引かれ、私は教室の外に連れられていった。
後ろからは他の女子……なんと男子もついてくる!!
どういうこと？
この人達に共通点なんて……あ、同じ小学校出身同士だったっけ。
ユイと同じ学校の……＿＿＿。
……なるほど。そういうことか。
そのまま私達は人気のない水道に行った。
そこの水道は、学年全体で嫌われている女子がよく使う場所という噂があり、皆近寄らないのだ。
その子の気持ちも考えないで……。
……私はつい昨日まで、その子の気持ちも考えない奴らと同じだったんだけど。
水道につくと、一人の女子＿＿私の手を引いた女子だ＿＿が頭をいきなり下げた。
そう!いきなりだ!私はとても驚いた。
「ぅえ!?え、な、なんで!?」
「しっー!!大きな声出さないで!!」
違う女子が注意してきた。小声で「ごめん」と言う。
「そ、それで？」
まぁ、だいたい分かってるけどさ。
男子が私の言葉に答えた。
「実は、ユイのことなんだけど……」
「ごめん!本当にごめんね!私達が全部悪いの……」
「お前は少し落ち着け。……で、ユイのことだ」
やっぱりユイか。
ユイ、どうしちゃったんだろう。早く聞きたい。何があったの？あなたたちの小学校時代に。
「ユイってさ、今は明るいじゃん？」
「……うん、明るくて優しい、ムードメーカーだよ？」
「実は、それは中学に入ってからなんだよ」
「……そう」
なんとなく感づいていた。
そこまで驚く必要はなかった。
それに、ほんとさっきまで驚きっぱなしだったし、心臓を少しは休ませないとね。
「それで、ユイは小学校のとき、今のお前のようだったんだ」
「ん？え、なんて？」
「いや、あのお前を貶すつもりはなくて、その、だな……えぇと＿＿」
「もう、達也は黙っててよ。私が説明するから!……でね、ユイちゃん、とにかく暗かったの。それで……」
そこで女子は一旦言葉を切った。
ため息をついて、周りに目配せをしている。
……ユイの「皆、私を見下している」という発言を聞いて、私はとある仮説を立てていた。それは＿＿
「いじめられてたの」
＿＿いじめられていたという、仮説だ。
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作者名：ムクロねこ | 作成日時：2015年7月6日 0時
