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「なに?なんか言ったら?早く言えよ!!ええ!?なに!?もしかして庇ってるんじゃないでしょうね?そういう友情系やめてくれる!?うざったいんだよ!!」
そんなに大声を出したところで、皆、余計に喋りづらくなるだけなのに。
ノアが教室を見渡す。
「あら?それに、雅も来てないみたいね?」
「あ、本当だ」
「休みかも、ね……」
「ったく。今日から……いじめてやろうかと思ったのに」
皆が「いじめ」に反応する。
「やっぱりそうなんだ」と言いたそうな顔をしている。
皆薄々気付いていたんだ。
雅ちゃんの席をあんな風にしたのは、ノアたちだってこと。
「……あ!そうだ!誰がやったか言わないんだったら、雅の代わりに今日だけ、だけど……この中から一人いじめてあげるわ」
「あ、それ良いね!」
「雅の代わり……誰かな?」
「今日だけ、ね。毎日、よりはマシだね?」
「ふふ。でしょう?今日だけなんだから、別にいいよね〜?」
いじめてあげる、だって?
はあ?
怒りがふつふつと沸き上がってきた。
軽々しく、いじめるとか言うなよ。
今日だけだからマシ?どっちにしたって、いじめは心に傷をつけるんだよ。
今もなお、いじめで苦しんでいる人が全国……いや、全世界にいるのに。
それなのに、コイツらは……!!
「……誰も言わない?ん〜、だったら……そうだね……」
「おっ、おっ!?いじめるのは誰?誰?」
……キーンコーンカーンコーン……
そのとき鳴り響くベル。
朝の時間は終わり。ホームルームを始めなければならない。
皆自分の席に戻って行く。
私とユイも戻る。ノアたちはイラつきながら席につく。
先生がやってきて、ホームルームが始まる。
そして、途中から星宮が戻ってきて先生に怒られる。
「どこいっていた」など。
ホームルームのとき、私は上の空だった。
誰が今日いじめられるのか。
そのことばかりが頭に渦巻く。
皆も同じようで、ボーッとしていた。
出席確認のときは、何人もの人が遅れて返事をしていた。
先生は、「どうしたどうしたー!」と、少し注意をしていた。
ちなみに、私も注意された一人だ。
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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時