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ハロウィンってそんなに大事なものだろうか。
お菓子を渡せばそれで終わり、渡せなかったらイタズラされる、それだけのイベント。
何が楽しいのか全くわからない。
「ていうかさぁ……この格好見て、なんか感想ないの?」
「見苦しい」
「よーし、目閉じて歯ァ食いしばれ」
途端、掴まれる胸ぐら。
彼女の女らしからぬ言動は見慣れているけど、その辺は何度見ても可愛げがない。
呆れと可愛げのなさに小さく息を吐き、言われるがまま目を閉じた時。
「っ、いてっ……」
唇に何かがぶつかった。
驚いて目を開けると、至近距離にAの顔。
それを見てすぐにわかった。彼女にキスされたんだ、と。
「お、お菓子、くれなかったから…………イタズラ」
「……は?」
「あーあーあー!うるさい!私だってこんな恥ずかしいことしたくなかったわちくしょう!!!」
座ったまま、力任せにベッドへ倒される体。
腹の上に乗るAは真っ赤な顔で俺を見下ろしながらブツブツと文句を言っている。
「ちょっとでも楽しんでもらえたらいいなって……なのに国見は……」
馬鹿か、こいつ。
イベントを楽しむのも楽しまないのも本人の自由だろ。
なのに、Aは、こいつは……
「……重い」
「重い!?」
「から、こっちがいい」
酷くね!?と怒るAの腕を引き、抱きしめたまま体を半回転させる。
結果、彼女を組み敷く形になる。
「は……な、なっ……!!」
「もっとしてもいいよ。イタズラ」
いつも俺からだから、たまには君からイタズラを。
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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:https://odaibako.net/u/chichichi1208
作成日時:2018年10月31日 1時