扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ46 ページ46

誘拐(？)事件の後、私は次の日普通に出社しました。

報告書が増えてます。

そう云えば驚いた事に何故か送迎も付いてしまったんですね。

「ごめんね賢治君…お仕事の時間迄未だ時間あるのに」

「いえ！僕も久し振りに早起きが出来ましたし、柚さんと一番にお話が出来るので嬉しいです！」

天使だ。

「有難う賢治君！」

にっこりと笑う賢治君に朝から癒された。

手を繋いで出社したら、何故か引き剥がされた。

「何で？！？！」

「…五月蝿い黙って動物園に送られたいの」

ぎゅううとまるで確かめるみたいに私に抱き着く乱歩さん。

何なんだろう。仕事が出来ない。

「あのぉ…徐々離れて頂いても…私乱歩さんと違って書類が大量に…」

「…柚が残業しても僕には関係無いもん」

「遣る必要の無い残業はもう勘弁して下さい…」

説得の甲斐あって漸と離して貰った。

然し既に二十分のタイムロス。

何故二十分も抱き付けるんだろう。

「柚、早速で悪いが此も任せる」

「了解。有難う独歩君。サボった分はちゃんと取り返すね」

「心配するな、既に済ませてある」

「まじですか」

改めて見れば確かに机の上が綺麗だ。

若しや残業等していたら私は誰に奢れば良いのだろう。

「貴女が居なかった時には太宰さんも仕事してましたよ！貴女の分、迚も進みました！」

「仕事するんだだざ……じゃなくて治君」

ちらりと見ると滅茶苦茶黒い笑顔で見られたから慌てて云い直した。

もうずっと云えって事ですね判ります。

「其にしても真逆誘拐犯があんなに優しいなんてね。助かって良かったじゃないか」

「そうだねぇ…」

割と自分でも何で助かったのかはイマイチ判らない。

誘拐犯莫迦な人で良かったと心の底から思う。

「何にせよ無事で良かったな、柚」

「独歩君有難う大好き」

「だから貴様！その様な言葉は俺ではなく恋仲に云えと！」

「ごめんねお母さん！」

徐々本当にやばくなりそうだったから独歩君を弄るのは其までにして、私は仕事に取り掛かる。

昨日一日の出来事を思い出せる限り報告書に綴る。

「……遊んだ記録ばっかり」

誘拐犯と遊んだなんて書けないわ……

………そう云えば。

「皆さんは如何して業務を停止してまで東京に来て下さったんです？」

シン。

え、何か悪い事聞いたかな。

私は気まずくなって仕事に戻ろうとした。

ツンデレ47→←ツンデレ45

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す