検索窓
今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:250,206 hit

参拾参ノ咄 ページ33

「国木田さん」

放課後探偵社に向かうと、すぐに国木田さんの机へ行く。

組合メンバーとの接触についての旨をお知らせする為だった。

「何だと?!」

慌てるのは国木田さん。

「だだだ大丈夫だったの?!」
「怪我は?!何処にもないよね?隠してたら与謝野さんの治療だからね!」

心配して下さったのは、谷崎さんに、中島先輩。

与謝野さんの治療は厭だなぁ…。

僕は苦笑を零した。

「おや、妾の治療は厭かイ?」

後ろから肩を掴まれる。

僕は思わず悲鳴を上げてしまった。

「そんなに驚かなくても良いだろうに」

手をぱっ、と離して肩を竦める与謝野さん。

「す、済みません…」

「ま、気にする事は無いサ。却説、社長。奴(やっこ)さんは喧嘩を売ってきたみたいだが如何するね」

「無論、応えよう」

入口を見ると、いつの間にやら社長が。

相変わらず渋いです。

「ですが其相応の準備も必要となるでしょう。そろそろ事務員の県外退避を命じた方が…」

「そうだな」

国木田さんの言葉にコク、と頷いた社長。

僕はえ、と声に出してしまった。

皆さんが僕を見る。

「如何した」

「あっ、いえ…県外まで行くのだなと思いまして…その…済みません…」

赤くなり乍僕は縮こまった。

「怜君には此方に残って貰うよー」

「えっ」

「当然じゃない!狙われているのは君と敦君だよ?君は守勢。でも時々攻勢の手伝いも頼むよ」

「はっ、はい!」

其から、話も進んで、事務員は県外へと避難した。

僕とナオミは、毎日の迎えと共に一応学校へは行っている。

「今日も太宰さんですの…兄様は忙しいんですのねェ…」

「そうあからさまにガッカリされると私も流石に落ち込むよナオミちゃん…」

「どんまいです」

「兄様ったら、夜覚悟しておいて頂かなくてはなりませんわ」

程々にしてあげて下さいねと云い乍、僕達は探偵社への道を歩いた。

厭、違うか。今は旧晩香堂に向かっているんだ。

見知らぬ所に行くというのは、幾つになっても矢張り楽しみなもので。こんな状況下であるにも関わらず、わくわくしていた。

「怜君はきっと将来大物になるね」

そんな僕を知ってか知らずか、突然そんな事を云う太宰さん。

僕はナオミと顔を見合わせ、脳内にクエスチョンマークを浮かべていた。









──彼だけは、何としても守らなくては

参拾肆ノ咄→←参拾弐ノ咄



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (192 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
365人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年10月8日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。