拾陸ノ咄 ページ16
「ねぇねぇ怜君!ご飯一緒に食べない?」
…何てこったい←
手のひらを返された気分です。
「構いませんが…あの、彼女は…?」
「大丈夫!お昼ご飯をお兄さんから受け取る為に校門に行っただけだから!」
「谷崎さんが来られるんですか?」
「らしいよ〜」
……谷崎さんが危ない。
そう思い乍も僕では彼女を止められない為、御愁傷様です…そう呟いて合掌した。
其が判らないクラスメイト達は、首を傾げるばかりでした。
「遅くなりましたわ」
心なしかつやつやとした肌になったナオミを迎え、女数人の中、男一人でお弁当を食べた。
僕のお弁当は母手作りです。
どれも美味しいですけど、特に卵焼きが美味しいんですよ!
「あら、怜さん。美味しそうですわねぇ」
「…取ったら怒りますよ」
「まぁ残念」
クスクスと笑うナオミを見て、僕は、卵焼きを一つ差し出した。
「…呉れるんですの?」
「変わりに、何か下さいね」
「あら、其なら此を」
にっこりと笑い乍彼女は箸でタコさんウインナーを僕のお弁当に入れた。
僕も入れようと思ったのだけれど、腕を押さえられて、卵焼きは、パクリとナオミの口に入っていった。
僕は顔を真っ赤にする。
「だだだだから!何故貴女は平気で!そんな事を!ぼ、僕は男であってそんな事は…!」
「でも貴方、男性だって感じしないんですもの」
「えええ…」
其処でハッとする。
周りに他の人が居たのを思い出した。
「あああああああああ?!?!」
「うふふっ」
楽しげに笑うナオミ。
僕はもう気が気で無い。
慌てて残り少しだったご飯をかき込んで、“ご馳走様です!”と云って、自分の席から本を取って図書室に走った。
自分でも判る位に真っ赤な顔をして。
「…初心ですわねェ」
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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