拾伍ノ咄 ページ15
「他に何かマフィアでの面白い話は無いんですの?」
「ありませんよ!」
ぐいぐいと皆に寄って来られる。
ナオミと話す度、毎回僕を睨んでいた人達まで。
「其に僕だって命懸けだったんですよ?!面白くてたまるか!」
マフィアに乗り込むなんて芸当、何故僕が出来たのか、さっぱり判らない。
此処に居る誰よりも、マフィアの事が嫌いだった筈なのに、此処に居る誰よりも、マフィアの事を知ってしまった気分だ。
厭、恐らくは実際に知ってしまっているのだが。
何故、殺し屋が動かぬのか。
其もまた愚問である。
「そうだ!ポートマフィアでは芥川龍之介とか梶井基次郎とかに会ったの?!」
誰かがそんな事を云う。
そう云えば指名手配されているその2人もポートマフィアの異能力者だったっけ。
「会いませんよ!僕がお会いしたのは…」
言葉を切る。
そう云えば、彼の人は結局どんな立場の人だったのだろう。
判らずじまいだった。
「黒服の方ばかりです」
実際そうだ。
其に、幼い子供を連れた人が首領だなんて知れたら皆ガッカリするだろう。
色々な意味で。
だから、その事は隠す事にした。
「怜さん、因みにドレスはどんなものでしたの?」
わくわく、わくわく。
そんな擬音が聞こえてきそうだ。
僕は溜息を吐いて、思い出したくもないドレスを思い出した。
皆は、僕が一言紡ぐ事に笑っている。
其に何故か、悪い気はしなくて。
偶にはこんなに賑やかに話すのも、悪くないなと思った。
「そんなに笑わないで下さい!僕だって恥ずかしいんですからね!?」
「ン”ン”ッ」
「怜君、意外と可愛い…」
「それな」
「俺あんな純粋な彼女欲しいかも」
「わかるほんとそれ」
ぼそぼそと会話しているのには気付かず、僕は不貞腐れて本を読み始めた。
「もう、そんなにイジケないで下さいまし」
「誰の所為ですか、誰の」
「でも、楽しいでしょう?」
「……悪くはないです」
問われて、そう答える僕はかなり扱いやすいんだろうなぁ、と思った。
「このクラスは、何だかんだ好きですから」
365人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ