花嫁修業40日目 ページ4
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『…殺すなんて……できません、まふまふ様なら、もっと…』
「……Aがまふを殺さない、って言ったとしてもさ…もしかしたら俺が、殺すかもしれないのに?」
『っ…そらる様は、そんな事、しません』
「俺の本心だって知らないくせによく言うよ……じゃあ、逆に殺す以外の方法を知ってるの?」
『それ…は……』
そらる様は懐から1冊の本を取り出すと机にほおり投げ、私の前までその本が中に浮き手元まで届く。
そらる様が指で空を切るとそれに合わせるようにページが捲られる。
「俺とかセンラとかluzとか回復士だって全員お手上げ、まふの机にあった本には「殺すことで唯一救われる」と記述してある…どうやったら他の方法なんか見つかる?」
『っ…』
そらる様の瞳は光を宿しておらず、静かに、冷静に、私の心を言葉で抉り続ける。
質問をされる度に声はかき消されるように小さくなる、何も言い返せない自身に腹が立つ。
『そらる様は……それで、いいんですか』
そう言うと少し眉が動いたがまたいつもの様な眠そうな瞳に戻った。
「被害を出さない為にはコレしか方法が無い、だから……いいんだ」
『いいわけない、まふまふ様を殺すことが正解なんて可笑しいです!!!』
「……じゃあ、さ…A
・
・
_____代わりに死んでよ」
『!!』
「お前がまふに食われれば、まふは死なずに済む……そんなに言うなら自分が食われてみろよ、なぁ」
『それで…まふまふ様を、救えるんですか……?』
「うん、そうだよ」
『私が死ねば…』
まふまふ様を殺すか、私が食べられるか…
だったら、簡単なことだ。
_____死ねばいい、私が
『……っ』
でも、分かりました。が言えない
死ぬのが怖い、嫌だ。死にたくない
消えたくない、終わりたくない。
今までそんな事無かったのに……なんで今更、死にたくないなんて…願ってしまうのだろうか
その瞬間、笑っているまふまふ様の姿が浮かんだ。
そして今まで話してきたくだらない、けど暖かい会話を思い出す。
『(あぁ……そっ、か…)』
あの人に出会ってから、私は変わってしまったんだ。全部
人形から人へ変わったように
死にたいから生きたいに
まふまふ様の隣で生きていたい、あの方と手を繋いで歩みたい。
頭を撫でて貰いたい、まふまふ様の色んな表情を知りたい。
まふまふ様の瞳が見たい、あの方に触れたい。
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________好き
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ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年5月19日 19時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あや - 始めまして!この小説すごい好きです! まふまふさん推しなので得に! 受験お疲れ様です 更新頑張ってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: a7aad2115f (このIDを非表示/違反報告)
胡桃きら - 推しを愛で隊(夜桜)さん» お返事ありがとうございます。受験だったのですね、お疲れ様です!そしてほんとにすみません、、何回も読み返していてこれまで占ツクで読んだの中でトップ3の中に入るぐらいだいすきな作品です!これからも応援しています、作者様のペースで更新頑張られてください。 (2020年3月29日 21時) (レス) id: 5346f0bcd8 (このIDを非表示/違反報告)
推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - 胡桃きらさん» 初めまして、そんな有難い言葉を頂いて本当に嬉しい限りです…!!受験も終わりましたので、更新を少しずつ再開しようと思っています。我儘なんかじゃありません!!わざわざコメントして頂けるなんて驚きましたが…w更新は再開します。絶対なのでご安心して下さい!! (2020年3月7日 14時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - あいろさん» あ、ありがとうございます!!! (2020年3月7日 13時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 | 作成日時:2019年4月9日 0時