あやとり。弐【文スト】【暗殺教室】 (ページ7)

今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:48,356 hit

肆拾伍話ページ7

．

「…………とりあえず解散だ、皆。
上層部とこいつの処分法を検討する」

「ヌルフフフ、対先生物質のプールの中にでも封じ込めますか？
無駄ですよ、その場合はエネルギーの一部を爆散させて…さっきのように爆風で周囲を吹き飛ばしてしまいますから」

さすが、やっぱり対策は練ってる。
……でもさ、その中に人が居たら巻き込まれるからせんせいもさっきみたいに迂闊に爆散できないよね。

「ですが皆さんは誇って良い。世界中の軍隊でも先生をここ(・・)まで追いつめなかった。ひとえに皆さんの計画の素晴らしさです」

そんな状態で褒められても。
そう思いながらも数秒目を閉じてまた開ける。辺りを見渡して見てみると皆の落胆は隠せていなかった。

そして私たちはホテルへの帰途についた。

「しっかし疲れたわ～…」

「自室帰って休もうか…もう何もする気力無ぇ」

「そーそー、明日こそ水着のギャルじっくり見んだ、どんなに疲れてても全力で鼻血出すぜ」

……なにこれ。
確かにいつもより大掛かりで必死の暗殺をした、だからと言ってここまで疲れるもの？？

「いや…もうもう想像しただけで鼻血ブ…いや、あれ、」

「岡島君！！」

それを機に皆が一気に倒れだした。

失礼して1番近くにいた神崎さんの額に手を当てると熱い。
……熱、だとしてもなんでこんなに大勢が。

「A、一度離れるんだ」

「っ、だ、ざいさん」

後ろから両肩を掴まれて無理やりに距離を取らされる。
そしてそのまま大きな手で目元を覆われた。

「落ち着いて、今この場で正確に状況判断が出来る人間は少ない。
だからこそ私たちが冷静になるんだ、…佳いね？」

「…………すいません、取り乱しました」

あまりにもあの情景に重なったから。

何度か深呼吸をして心を落ち着かせてから皆の症状を見る。

「…やぁ、先生。可愛い生徒がずいぶん苦しそうだねぇ」

「何者だ、まさかこれはお前の仕業か？」

謎の音声、今この場の状態を知っている声と烏間せんせいの低い声を聞いて思わずそちらを見そうになる。

…………見られてる。
どこから何で見られてる？何が目的？

「探しちゃあいけないよ、君は普通の生徒なんだから」

「…………」

手首を掴まれ探すのを辞める。

太宰さんのおかげで大分落ち着いた、大丈夫。冷静になれ、ちゃんと状況把握と判断を忘れるな。
その思いで烏間せんせいの話に耳を傾けた。