肆拾弐話 ページ4
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「さぁて殺せんせー、メシの後は
「会場はこちらですぜ」
菅谷くんが指さしたのはホテルの離れにある水上パーティールーム。
周囲はせんせいの苦手な水、基は海で囲まれてるし逃げ回るのには不適切だから。
「楽しい暗殺、まずは映画鑑賞から始めようぜ」
……殺せるといいね。
微笑してすぐ表情を戻す。
計画はちゃんと頭に入ってる、大丈夫。成功はするはず、殺せるかは別として。
「まずは三村が編集した動画を見て楽しんでもらい、その後にテストで勝った7人が触手を破壊し、それを合図に皆で一斉に暗殺を始める。
それでいいですね、殺せんせー?」
「ヌルフフフ、上等です」
外には烏間せんせいとイリーナせんせい、それに太宰さんもいる。たった3人、されど3人。それでもプレッシャーにはなるはず。
「セッティングごくろーさん、三村」
「頑張ったぜ、皆がメシ食ってる間もずっと編集さ」
菅谷くんと三村くんの会話を聞きながら心中でありがとう、と感謝の言葉を送る。
そして潮田くんがせんせいのボディチェックをした後にせんせいは真んなか中央の椅子に腰掛けた。
「準備はいいですか?
全力の暗殺を期待してます、君達の知恵と工夫と本気の努力。それを見るのが先生の何よりの楽しみですから。
遠慮は無用、ドンと来なさい」
そう言ったせんせいの表情はいつもと同じ笑顔だったのに今回のだけはどこか違く見えた。不敵な笑顔、って言うのかな?
その笑顔を見た後に皆は緊張する心を押さえつけ、なんとか自分を落ち着かせる。
「
岡島くんがそう言って電気を消した。その瞬間に目の前のテレビからは動画が流れ始めた。
それから我々の担任の恥ずべき姿を見させられた。
最近のマイブームのジャンルである大人の本をひとりで集めてニヤニヤと読んでいる姿。
女子限定のケーキバイキングに女装して並ぶ姿。
給料日前日、分身でティッシュ配りに行列をひとりで作り、唐揚げにして食べている姿。
……なんとそれが1時間も続いた。
「…死んだ、もう先生死にました。あんなの知られて生きていけません」
じゃあ今すぐに、と思うけど折角仕込んできた暗殺をするんだ。
その言葉は呑み込んだ。
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たびのひと - はじめまして!とても面白いです!一日で全部読んじゃいました!更新待ってます! (2020年5月18日 23時) (レス) id: 06a128996a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カノ | 作成日時:2020年1月12日 2時