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次の日。
外からはミンミンと鳴く蝉の声が聞こえて、私は涼しい冷房が効くリビングで寝転んでいた。
蝉の声が聞こえるだけで鬱陶しく感じてしまうのは、きっと部屋の中なのにむしむしと暑いせいなのかもしれない。
私は寝転ぶのをやめ、起き上がり、テレビをなんとなくつけた。
テレビにはアナウンサーがいて、今日の天気について話していた。
東京の天気は、快晴、32度・・・
『はぁ!?30度超え!?あっつ!!』
私はテレビを消すと、深いため息をついた。
アイスとかがあったならまた変わったかもしれないが、生憎私の家にアイスというものはない。
買いに行こうと思えば行けるが、今のテレビを見てしまったため、一気に行く気がなくなった。
出来ればここから動きたくはない。
そう思った瞬間に、ピンポンとチャイムが家の中に鳴り響いた。
『はぁ・・・誰だよ・・・』
私は決断した瞬間に動かなければいけなくなり、イライラとしながら玄関へと行く。
鍵を迷いなく開けて、普通の扉とは違って少しだけ重い玄関の扉を押すと、目の前には真冬が立っていた。
「水上さん!おはようございます!」
無言で玄関の扉を閉めようとすると、扉を掴まれて閉めるのを止められる。
結構非力な面を前に見せていたから、勝つと思っていたけど、やっぱり私は女で真冬は男だから少しずつ扉は開いていく。
『・・・しつこい人はモテない』
「モテなくていいです!僕は、水上さんとお話がしたいんです!」
私は真っ直ぐに私のことを見つめる真冬を見て、ためらって力を緩めてしまった。
すると、一気に扉を開けられてしまった。
「・・・入ってもいいですか?」
『・・・・・・どーせお前しつこいから入ってくるんでしょ?・・・・・・どうぞ』
家に上げ、私がさっきまでいた部屋に入れた。
私が後ろにいたから、真冬は振り返って、私のことを不安そうな瞳で見つめる。
「・・・水上さんは・・・僕のこと嫌いですか?」
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2020年1月18日 15時