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Aside
「…んっ…。」
「あ…目、覚めた?」
目の前に居たのは美雪ちゃん。
「あれ、私…。」
「はじめちゃんがここまで運んでくれたんだよ。」
「はじめちゃんが…?」
「うん。」
そう言えば…あの時、足が動かなくて気づいたら気を失ってて。
「はじめちゃんは…!?」
「俺ならここにいるって。」
美雪ちゃんの後ろで壁に寄りかかっていたはじめちゃんは、
私のすぐ側に来て美雪ちゃんの左どなりに座った。
ポンっ
「はじめちゃん…?」
「辛かったら言えって、言ったよな?」
はじめちゃんの優しさに涙が出てきそうになった。
美雪ちゃんを見るとソーっと部屋を出て行く所だった。
「はじめちゃんは?」
「俺?」
「はじめちゃんはさ、もう辛くないの?
人が亡くなったり、いつも事件に巻き込まれたり大変な思いして…。」
「俺は…。」
「はじめちゃんだって、自分のこと大切にしてほしい!
私のことをいつも庇ったり…今みたいに、
人のことばっかり優先して自分のこと考えずに!」
「おい、A…!」
「私が居ると足でまといなんでしょ?
私が居ない方が推理に集中出来るし、私が居ない方が…。」
「A!!」
ヒートアップして、止まらなくなった私の口はどうしようも無かった。
はじめちゃんに両肩を掴まれて、ハッとして顔を見る。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時