双子の妹。3.【金田一少年の事件簿NEO】 (ページ22)

今日:8 hit、昨日:21 hit、合計:25,342 hit

▽ ページ22

はじめside

Aの口から出てきた言葉は、自分を傷つける言葉ばかりだ。
言葉は刃物だって言ったのは、Aだよな？

「A、小学生だった俺と美雪に教えてくれた言葉、覚えてるか？」

「えっ…？」

俺の前で泣いているAの顔を手で優しく拭いて、
過去の話を思い出す。

「俺と美雪が口喧嘩が止まらなくて、ヒートアップしそうになった時に言ったよな？」

10年前＿＿＿

「だから違うって言ってんだろ！」

「はぁ！？もうしらない！はじめちゃんなんか！」

「美雪なんか！」

「二人とも、ストップ!!はい、そこまで!!
それ以上言うとダメだよ。言葉は刃物なんだよ？
使い方を間違えると凶器になることだってある。
二人が一生、分かり合えなくなっちゃうことだって、
あるかもしれないんだよ？」

現在＿＿＿

「俺さ、あの時のA、すっごくかっこよかった。」

「別に、そんなこと…。」

「だから、言わないって約束しよ？」

あの出来事にAが居なければ、
俺は美雪を一生傷つける立場になってたかもしれないんだ。

「はじめちゃんっ…。」

「うわっ、なんだよ。笑」

「ありがとう…。」

Aが珍しく俺の方へと飛び込んできて甘えてきた。
なぁA、お前にこの気持ち伝えられるのいつになるんだろうな…。