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はじめside




鬼火と人が消えた?そんなことあるわけ…。




「もう先輩、魂胆見え見えですよ。」




「はっ?」




佐木の方を振り返ると、涙目になってるA。
それに佐木の腕にくっついてるAの姿。




「わざとA先輩を怖がらせようとしたんでしょ?」




「えっ?何それ。」




「いや、違うって。」




未だに佐木から離れないAを見ると、胸がチクリと痛んだような…俺らしくねぇな。




「信じらんない!本気で怖かったんだから!
はじめちゃんのバカ!!」




「いや、違うって、A!」




「もうさいってい!!」




Aは百日紅の間から自分の部屋まで走って、
俺はそれを追いかけたけどギリギリドアを閉められた。




「もう顔も見たくない!!」




ドンッ!




「キッツゥ〜」




「木通!!」




「えっ?なに?」




「ほんとバカ。」









翌朝・Aの様子を遠くから伺う。
絶対怒ってるよなぁ…あんなに笑顔なのに。




「はじめちゃんどうするの?」




「え?あぁ…。」




美雪に言われ、Aにどう声をかけるか考えてた。
だけど昨日あんだけ怒ってたから口聞いてくんないよな…絶対。




「は〜い。卵じゃあ、お願いします。」




「A、昨日のことなんだけどさ。」




新谷さんと笑顔で話してたし…今なら行ける!




ガタン!




俺の顔を見た瞬間に皿を強く置いて真顔に戻ったA。
これ、完全に終わったか…俺。

▽→←▽



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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時

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