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Aside
「じゃあ百日紅の間が何年も使われてなかった理由って…。」
「鬼火の目撃談が出ているからです。ある夏の晩の午前0時。
合宿に来た一人の研修医が誰もいないはずの、
その部屋の中で物音を聞き妙に思ってドアの鍵穴から中をのぞくと…。
間もなく午前0時です。肝試しの時間でございます。
鍵穴をのぞく順番を決めていただきましょう。」
「OK。じゃあジャンケンな。」
加藤さんの一言でジャンケンをすることになった私達。
「ほら。」
「ジャンケンポン。」
「ウッソ〜。」
一番初めに鍵穴を除くのははじめちゃんになった。
「そのドアの向こうが鬼火の玄関。」
「A、代わる?」
「イヤよ!」
佐木くんの後ろに隠れた。
「え〜いもう、はい!
大体ね、鬼火なんかいるわけないっつ〜の。
…ん?真っ暗ですけど。」
「もうすぐ午前0時です。5.4.3.2.1…。」
暗闇怖いし…あ〜どうしよう!
怖くて佐木くんの後ろに避難してるけど、どうしよう。
「先輩?大丈夫ですか?」
「…ちょっとダメかも…。」
佐木くんの腕にくっついて、はじめちゃんの様子を後ろから見る。
「出…出た!」
「はっ?何がだよ!」
「どけよ!うわっ!死んでる。森村が首吊ってる!」
「はぁ!?何馬鹿なこと言ってんのよ!」
百日紅の間から大きな物音がした。
ズリズリゴトンって、何かが落ちる音…?
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時