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Aside




はじめちゃんの隣に座って塚原さんの話を聞く。




「この建物は昔、長期入院のための療養所をとして使われていました。」




「大丈夫か?A。」




一瞬振り返って顔を見て、塚原さんの方に振り返った。




「かつてここで、多くの患者が生きたいという願いむなしく、
亡くなりました。
そして今もなお、島中をさまよっているのです。」




「怨念?」




「何ビビってんだよ。こんなの、ただの作り話だろ。」




「作り話ではございません。その証拠に、この島では見えるのです。」




「何が?」




「鬼火です。」




鬼火って…そんなのいるわけない。




「鬼火って、人間の怨念が火となって現れる心霊現象のことですよね?」




「えぇ。そして鬼火に取りつかれた者は死者の世界に連れて行かれるといわれております。」




「で?肝試しで何すんだよ。」




「日付けが変わる午前0時に、この建物の二階の百日紅の間。
そのドアの鍵穴を順番に、のぞいてもらいます。」




「鍵穴を?何で?」




「この研修所の砂浜の先に礼拝堂がございまして、
亡くなった患者達を追悼しておりました。その怨念が、
鬼火へと姿を変えて午前0時に百日紅の間にやって来る。」




もー話だけ聞くのも怖いのに、なんで鍵穴除かないといけないの?
こんなオカルト話好きなの、真壁先輩だけだよ←

▽→←▽



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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月7日 20時

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