ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１２４ まふまふside ページ34

ま「どうしようどうしようどうしようどうしよう…！！！」

目の前には空っぽのベッドと、難しい顔をした特別部隊のみんなと、歌詞太郎さん。

話は、アメリカイヌホオズキの花言葉を調べたところまで遡る。

あの後、僕と坂田は『これはヴァンプを狙う何者かがいる』と判断して、それぞれ歌詞太郎さんとそらるさんに連絡をとっていた。

その判断が、間違いだった。

？「バケモノ回収に参りました〜〜では！」

連絡のためにヴァンプから目を離したその一瞬。

声が聞こえて、光がはじけた。

目が痛い。何も見えない。

坂「まふくん、大丈夫！？」

坂田がすぐ駆け寄って来て僕の目に手を当てた。

坂「強い光見て強いショック浴びたからちょっとそのまま目を閉じて。」

ぎゅ、と目を閉じる。

痛みが引いてからゆっくりと目を開ける。

ま「ヴァンプっ」

その時にはすでに、ヴァンプがいなくなっていた。

枕に『死神』のタロットを残して。

『大切なものを奪われる』…というカードだけ、残して。

坂「そらるさん、そらるさんやばいです。ヴァンプを何者かに連れ去られました。至急集合願います。」

坂田は繋がってた電話に向かって騒いだ。

…で、今に至るわけだけど。

る「…反政府組織の仕業かもしれませんね。最近Assassineの動きがおかしいってうちのイヌが言ってたんです。」

イヌ…スパイのことか。

そ「Assassine…あそこは俺たちも追ってる。クスリも流してるんだよ。Assassineなら、ヴァンプは…。」

反政府組織。クスリ。

おぞましいワードのオンパレードだった。

う「なんで反政府組織のペットが電子戦争省の中に入れたんでしょう？ここの建物、ドアはないように見えますし、窓を破ろうものならすぐに警備ロボに捕まるじゃないですか。」

電子戦争省…。

初見では入り口のないただの四角い箱。

ヒーローの素質…能力を持っている人のみ、その特殊な素材に反応し建物に入ることができる。

歌「…るすくん、イヌにヴァンプちゃんっぽい子いるか確認できる？」

歌詞太郎さんは何かに連絡をしながらるすくんに聞く。

るすくんは『ちょっと待ってください。』とだけ言うと、部屋の隅へ行き端末をいじり始めた。

そ「まふまふ、お前や坂田だけのせいじゃない。Assassineはとても狡猾で、ずる賢い。…今は助けることだけ考えろ。」

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