【文スト】【江戸川乱歩】塩対応彼女。【文豪ストレイドッグス】

対応。３３ ページ38

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数十分待つと谷崎君が迎えに来てくれた。

来た瞬間、ガッと肩を掴まれて彼にしては珍しく取り乱した様子で「Aちゃんが拐われたって如何したンですか！」と聞かれた。

僕はただ黙っていた。

喋らない事が分かると「すみませン、取り乱しました…。帰りましょうか」と云ってくれた。

余り一度に追求しないのは、彼の良い所で悪い所だと思う。

探偵社に戻ると、調査員や事務員の面々がズラリと並んでいた。

重苦しい空気が流れる。

＿＿＿＿＿＿＿その空気を破ったのは意外にも敦君だった。


敦「あの、Aさんは…」

「…谷崎君に云った通りだよ。ポートマフィアに拐われた。…いや、行ったの方が正しいのかな…」

太「拐われたと云いますが、誰に？」

「芥川と素敵帽子君」


そう云うと太宰は「あの野郎…」と殺気を滲ませ、敦君はもう完全に敵意をむき出しにしている。


福「乱歩」


社長が僕の名前を呼ぶ。


福「先程【行った】と話したが、それは本人の意思という事か？」

「…それは違う、僕を守ってくれたんだ。その、僕人質になっちゃって。僕を庇ってくれたんだ。…でも」



「【想い人じゃない】って云ったのは、本心だと思う」

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