代償は付き物 ページ6
「俺の異能は自分がしたくない事や周りの人間にさせたくない事を偶然的にしなくてよくなる。もしくはさせなくてよくなる異能だ」
「まぁ!それはとっても凄い異能ね!」
「へぇ…確かにそれは凄いねぇ…しかし、言うのを躊躇うという事は何か裏があるんじゃないかい?」
そこまで言うとエリスは無邪気に誉めて、森さんは興味深そうに尋ねてくる。
……しかし、勘が鋭いな森さんは。そう思いつつ俺は頷きこのあらゆる物事を一瞬にして変えて仕舞える異能の代償を口にした。
「あぁ…森さんの言う通りこの異能には裏がある。この異能はある一定の使用回数のラインを越えると俺自身に一歩間違えれば死に至る程の不幸が降りかかる。まぁ、つまりはどんな便利な異能にも代償は憑き物って事だ」
「……成る程ね。これは悪用しやすくとても危険な異能だねぇ…」
そう困った様に声をあげる森さんの出方を見る。
もし、俺を無理矢理取り押さえて服従とかさせようものなら殺してやる。そう思いながら森さんをみつめた。
すると俺の殺意と警戒の含んだ視線に気づいたらしい森さんが苦笑して言う。
「そう警戒しないでくれるかいA君?別に取って食いやしないし悪用するつもりもないよ。ただ君を放置してしまうと後々面倒事に君自信が巻き込まれそうだからどうしたものか考えていたのさ」
「……本当にか?」
……貧民街じゃ食うか食われるかの奪い合いと裏切りが当たり前だと染み付いている俺は嘘偽りが無いとしても中々信じれなかった。
たとえそれが幾ら助けてくれた人物だとしても……
するとエリスが悲しそうな顔をして訊いてくる。
「Aは私たちの事、信じれない?」
「正直に言うと会ったばかりだしな……助けて貰ったのには感謝はしているが……」
しょんぼりと肩を落とすエリスに少し申し訳ないなと思う。すると森さんが手を叩いて名案を思い付いたと言わんばかりに満面の笑みで言う。
「よし!まだ会ったばかりで信用出来ないなら此処で入院している間に信用してもらえるようにしよう!どうせその怪我じゃ全治一ヶ月はかかるからね!」
「そんなにかかんのか……って!はぁ!?何いって……!?」
「そうね!それが一番だわ!!」
「いや!?ちょ!はぁぁぁぁあ!?!?!?」
いきなり意味不明な事を言い出した森さんとそれに同意するエリスに俺は驚きのあまり声を上げて叫んでしまうのだった。
俺は一応患者だぞ?→←人を信じるってこんなにも難しいんだな…
【桐崎君にとっての周りの印象】
乱歩:唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 倉の中の石さん» ありがとうございます!思惑通りに暗い過去と思って頂けてついガッツポーズを仕掛けました(笑)続編頑張りますね!! (2019年7月8日 0時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです。こんなに自然な暗い過去は久しぶりに見ました。続編も頑張ってください。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@グラブル中毒者(プロフ) - 鶴さん» 読んで頂きありがとうございます!更新頑張りますね!! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 480a6a9b45 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2019年7月7日 14時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
那戯田沢 亜須@スマホ使用不可で低浮上中(プロフ) - 夜美さん» ありがとうございます!まだ推敲中ですががんばりますね!! (2019年7月5日 20時) (レス) id: a29dbc7b52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ