【文スト】幸福と不幸は紙一重

何で生きてんだよ ページ35

時折怪我をしたり病気にかかる羊の仲間達の治療をしながらやっと馴染み始めてきた頃、羊、GSS(ゲルハルトセキュリティサービス)、そしてポートマフィアを巻き込んだ抗争がおき始めた。
俺は羊の仲間達と、そしてポートマフィアに居る森さんと太宰の身をあんじながら何時襲われても良いように昔から愛用している自動式拳銃とナイフの手入れをしていた。

「……GSSはどうでもいいけどポートマフィアと羊からは死人は出てほしくないな……」

そう言ったあとホルスターに自動式拳銃を入れてナイフを腰とパーカーに入れて靴に付けた暗器が出るか確認してから貧民街……すり鉢街へと一人歩き出した。
抗争が起きていると言うのにあまり変わらない街を眺めながら歩いていた時にふと思い出す。

「そういや最近中也が言ってたが荒破吐とか言う黒い焔が貧民街の色んな所で出てるんだったか？……とりあえず運悪くそれに出会わないといいけど」

そう呟いた途端まるで狙いすましたかの様に衝撃波が諸に当たりか体ごと吹き飛び壁に叩き付けられる。

「がっ…！？〜〜〜〜！！！いってぇ……なちくしょ……がはっ」

叩き付けられた途端折れたっぽい肋骨を押さえ血を吐きながら顔を上げると何も変わらないと思っていた貧民街は黒い焔により焼かれ瓦礫があちらこちらに拡がっていた。
そしてそんな中無傷で立つこの焔と衝撃波の原因であろう人物を見て乾いた笑みが溢れた。

「はは、何で生きてんだよ…………先代」

あまりにも此処に居ること自体があり得ない人物。
森さんと太宰によって一年前殺された筈の人物に俺は怪我と混乱により動くこともできず、壁によりかかりながらこの惨状を現実なのだと知らしめる様に残したまま幽霊の様に掻き消えた先代の姿を見詰める事しか出来なかった。

幸せな日々に戻れたなら→←同い年の仲間が居るなら

【桐崎君にとっての周りの印象】

乱歩：唯一異能で一度自分の事を忘れた筈なのに覚えてくれた人物。推理だけで自分との関係を割り出した乱歩の事は本当に凄いと尊敬している。

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