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俺の正確な心情。 ページ4

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「何があったの?」





──だいぶ落ち着いてきたし、そろそろ本題を切り出しても大丈夫だろうか。





そう判断した赤葦は、少女に尋ねた。





──俺だってとてもじゃないけどいい気分じゃない。けどそれ以上に、Aは不安がっている。





赤葦はできるだけ優しく声をかけるように細心の注意を払う。





「あの、ね、……無言電話が、……」





少女は未だその恐怖の影が消えない、自身の携帯に視線を送った。今は大人しく尻尾(コード)を生やされ、充電されている。



人は泣くとしゃっくりのようなそれを発することがあるが、しゃっくり自体は横隔膜の痙攣が原因とされている。泣いている際に発するそれは、嗚咽でお腹に力が入り、横隔膜の痙攣が誘発されるのだと考えられている。



少女は先程まで大粒の涙を溢れさせていた。声を殺しながらだったのも相まってだろう、しゃっくりのようなそれが少女の会話に断裂を生じさせる。



しかし、今の状況なら誰だって少女が言わんとする内容を理解できるだろう。



そう、少女が赤葦に電話をかける前、少女のもとに無言電話がかかってきたのだ。





──嗚呼、こんなに震えて、こんなに怯えて。可哀想なA……





赤葦は全身全霊で少女に同情しているが、自身の行為を棚に上げている事実は否定できない。



……いや、赤葦の心情をより正確に言い表すとするならば、恐らく──”俺以外の人間に”こんなに怯えて──なのだろう。


.

俺は帰った。→←────────



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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:得する話
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ライア(プロフ) - あああああヤンデレぷまいーーーーーーーーーー(^q^) (2019年7月11日 0時) (レス) id: 22a2268380 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ぴよ曜さん» ぴよ曜さん、コメントありがとうございます!なんと、この小説で赤葦推しを生んでしまうとは…!!理想だなんて言ってもらえて光栄です!最後までお読み下さりありがとうございました(*´ー`*) (2017年8月26日 0時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ曜 - この小説のおかげで、赤葦推しになりました!(笑)この小説の赤葦は、私の理想です!!完結おめでとうございます!&更新お疲れ様でした!!! (2017年8月25日 11時) (レス) id: 9123716162 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 審神者代理さん» 審神者代理さん、コメントありがとうございます!好みに合えば幸いです!もう赤葦さんの溢れる何でも出来る感に頼りきった作品となってしまいました笑まさにスパダリやあ…(*´∇`*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
審神者代理 - 完結おめでとうございます!やっぱりここの赤葦さんは好みだなぁ…赤葦さんは何でも出来る感がすごいありますよね( `-ω-´) (2017年8月21日 21時) (レス) id: d1c49bf55e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たなぱし | 作成日時:2017年5月28日 1時

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