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俺は目を見開く。 ページ15

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「な、んだとこの……!!」





先ほどまでは落ち着いていた森も、赤葦の言葉に反応して再び暴れだす。





「も、…やだ、ああぁぁ……!!」





人一倍責任感の強い少女はこの事態に責任を感じた。それに加え、親しかった森の行動を知りショックで顔を抑えて泣き崩れ、友人に慰められる。



事態は混乱を極めていた。だが、赤葦は少女の漏らす嗚咽に冷静さを取り戻した。





──そう、今優先すべきことはしんじを殴ることなんかじゃない。俺の一番は、いつだってAなんだ。





「……ごめん、取り乱した」





赤葦はもう森に攻撃的な姿勢を示すのを辞めた。元々賢い人だ。それを知っている部員たちも、一度顔を見合わせてから赤葦の脇に通していた腕を外した。





──Aのことが好きなら、最低でも今みたいな切り替えができないと。Aは争いを望まない。そんな気持ちを汲み取らないと。





森は赤葦の開放を気に食わなかった。赤葦の全てが気に食わなかった。



こうした赤葦の落ち着いた一挙一動が。





「泣かないで、A……」


「けぇ、じい……ぅ、ああ……」





自分が抱き締めれば、少女に背中に手を回してもらえる赤葦が。



いつも少女の隣にいる赤葦が。



赤葦の全てが森の神経を逆なでした。それはもう、気が狂ってしまうほど。いや、もう狂っているのかもしれない。だからあんな行為に及んだのだ。



怒りに震える森に、特に押さえつけている部員たちは狂気や恐怖を覚えた。



しかし、いやだからこそだろう、そのうちの一人がポツリと口から漏らした。





「……その手紙だってさ、実はしんじが自分で出したものなんじゃねえの?」


「はあっ!?」





森は心外だった。



そしてその発言に赤葦は目を見開いた。





──おいおい……この上ないアシストだな……!!





赤葦は可笑しく思った。腹を抱えて、今すぐにでも弓道場の床を転げ回りたいほど。


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俺は呑気に。→←噛ませ犬のすべきこと。



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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , ヤンデレ   
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ライア(プロフ) - あああああヤンデレぷまいーーーーーーーーーー(^q^) (2019年7月11日 0時) (レス) id: 22a2268380 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ぴよ曜さん» ぴよ曜さん、コメントありがとうございます!なんと、この小説で赤葦推しを生んでしまうとは…!!理想だなんて言ってもらえて光栄です!最後までお読み下さりありがとうございました(*´ー`*) (2017年8月26日 0時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ曜 - この小説のおかげで、赤葦推しになりました!(笑)この小説の赤葦は、私の理想です!!完結おめでとうございます!&更新お疲れ様でした!!! (2017年8月25日 11時) (レス) id: 9123716162 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 審神者代理さん» 審神者代理さん、コメントありがとうございます!好みに合えば幸いです!もう赤葦さんの溢れる何でも出来る感に頼りきった作品となってしまいました笑まさにスパダリやあ…(*´∇`*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
審神者代理 - 完結おめでとうございます!やっぱりここの赤葦さんは好みだなぁ…赤葦さんは何でも出来る感がすごいありますよね( `-ω-´) (2017年8月21日 21時) (レス) id: d1c49bf55e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たなぱし | 作成日時:2017年5月28日 1時

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