検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:29,647 hit

俺のいつも通り。 ページ1

.


「おばさん、こんばんは…!」





赤葦宅から少女宅まで歩いて4分、走って1分半。おそらく赤葦は人生で一番全力で走った。



少女宅に着き、玄関先のインターホンを鳴らせば目の前の重厚な焦げ茶色の扉が開かれる。





「あら京治くん、そんなに急いでどうしたの?」





出てきたのは温厚そうな女性──少女の母親だ。





「A、にっ…ノートを、返し、にっ、…」





赤葦は息を切らしながらも、そう応えた。心の中は、少女を泣かせた得体の知れない何かが占めている。全速力で駆けつけたこともあってか、正直具合が悪く吐き気が込み上げている。走ったせいで頬が紅潮していなければ、今頃赤葦は顔面蒼白だったに違いない。





「まあまあ、夜遅くにわざわざどうもね。うちの子なら部屋に居るわ。どうぞ上がって?」


「っ、お邪魔しま、す…」





──Aが出迎えないあたり、部屋からは出られそうもないんだろうな。





赤葦は息を整え、礼儀正しく靴を揃えている。ただこの際にも、赤葦に抜かりはない。





──おじさんの靴がないってことは、まだ帰って来てないんだな。つまり、今んとこ気を付けなきゃいけないのはおばさんだけってことか。





今の少女宅の状況を脳内で整理しながら、赤葦は少女の部屋へと続く階段に足をかけた。



少女の父親の帰りが遅くなることは、そう珍しい事ではないのは幼馴染である赤葦は当然把握している。勿論、少女の母親が少し抜けているということも、少女の父親の勘が鋭いことも。



だとしても油断して少女の母親にこの異変を悟らせる赤葦ではない。改めて気を引き締めた赤葦は、なるべくいつも通りを心掛けた。


.

俺は最愛の人を抱きしめる。→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
169人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:得する話
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ライア(プロフ) - あああああヤンデレぷまいーーーーーーーーーー(^q^) (2019年7月11日 0時) (レス) id: 22a2268380 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - ぴよ曜さん» ぴよ曜さん、コメントありがとうございます!なんと、この小説で赤葦推しを生んでしまうとは…!!理想だなんて言ってもらえて光栄です!最後までお読み下さりありがとうございました(*´ー`*) (2017年8月26日 0時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ曜 - この小説のおかげで、赤葦推しになりました!(笑)この小説の赤葦は、私の理想です!!完結おめでとうございます!&更新お疲れ様でした!!! (2017年8月25日 11時) (レス) id: 9123716162 (このIDを非表示/違反報告)
たなぱし(プロフ) - 審神者代理さん» 審神者代理さん、コメントありがとうございます!好みに合えば幸いです!もう赤葦さんの溢れる何でも出来る感に頼りきった作品となってしまいました笑まさにスパダリやあ…(*´∇`*) (2017年8月21日 21時) (レス) id: 47f42923ee (このIDを非表示/違反報告)
審神者代理 - 完結おめでとうございます!やっぱりここの赤葦さんは好みだなぁ…赤葦さんは何でも出来る感がすごいありますよね( `-ω-´) (2017年8月21日 21時) (レス) id: d1c49bf55e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たなぱし | 作成日時:2017年5月28日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。