たえまなく過去へ押し戻されながら 6 ページ20
次の日。私たちはテレビの報道に釘付けになっていた。
報道によると、本来七階建てだった筈の建物が一夜にして消えたそうだ。それも、まるで最初からそこに何もなかったかのように。
そのぽっかり空いた空間は周りに溶け込んでおらず、違和感を放っていた。
これが昨日、フィッツジェラルドさんが云っていたことなのだろうか。
「メッセージとはこれか」
「やはり寮にも賢治君は居ません」
あの後、賢治くんは姿を表していない。考えられる可能性は一つ。組合に襲われたのだろう。持ち主不在の麦わら帽子が、今はただ虚しさを象徴していた。
「逆らう探偵社も、用済みのマフィアも凡て消す…か」
「谷崎、これ以上単独で動くな!敦と組んで賢治を捜せ!太宰は俺と会議室に来い。社長会議だ」
国木田さんの覇気のある声が響く。今回は私は鏡花ちゃんとお留守番のようだ。
「敵と接触しても戦わず逃げろ!」
国木田さんのその言葉を合図に、敦くんたちは駆け出していった。出ていった彼らの背中に頑張れ、という思いを込めながら見送る。
「……鏡花ちゃん。私たちは
「…わかった」
太宰さんたちは会議室に行ったし、私たちにできることは何もない。大人しく待っているのも暇なので、敦くんたちが帰ってくれるまで遊戯をして過ごすことにした。
たえまなく過去へ押し戻されながら 7→←たえまなく過去へ押し戻されながら 5
58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
塩わさび - ミヤさん» コメントありがとうございます!おもしろいといっていただけるなんて光栄です…!!!頑張って更新していきたいと思います……! (2018年4月18日 23時) (レス) id: e627b6cc05 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ - 続編おめでとうございます!人間創造、とっても面白いです!これからも頑張ってください。応援しています! (2018年4月17日 21時) (レス) id: ce29b99b88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:塩わさび | 作成日時:2018年4月16日 21時