私、また復活します。【歌い手】

アンコール！！ ページ10

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彼らが舞台袖にはけてから、しばらく経つと


「アンコール」


の声があちらこちらから飛び交うようになってきた。



バンドメンバーが出てきて、楽器の調整をする。



ニュース速報のような音が聞こえて、中央画面に イラストの猫が映る。



「〜News Cats〜
こんにちは、お昼のニュースをお伝えします。
今日未明、のら県もふもふ区ねこがしら公園付近にお住いのシロノタマさんのにぼしが奪われるという事件が発生しました。
なお、現在も犯人は逃走中の模様。」


動画とは違い、ゆっくりと渋い声優さんが読んでいる。



読み終えた瞬間に、


「にゃんこには！！関係がにゃーーーいっ！」


いきなり、舞台したから飛び出してきた。


前回のひきフェスで販売された、すーぱーぬこの被り物を被っている。


にぼしコールを全員でやってすごく楽しかった。




すーぱーぬこになりたいが終わると、

すーぱーぬこになれんかった が始まった。



「ぬこになりたきゃ手をたたけーっ！はい！」



そう歌うマツリさんがとても可愛らしくて、思わず笑みが零れる。



とうとう、最後の曲も終わってしまって、



「…はい、今日はありがとうございました！

みんなみんな！シーっ！」

と、みんなに静かにするように呼びかける。

静かになると、



「せーのっ！」


「ありがとうございましたーーっ！！！！！」



肉声がそのままわたしたちの耳に届く。


深くお辞儀をしてからこちら側に手を振ってくれる。




この時、ちょうどスポットの光がこちらに向けられていて。


彼らのシルエットの縁が白んでいて、夢か現実か、分からなくなる。



彼らが退場する。


マツリさんに向けて、精一杯の声で

「ありがとうー！」

というと、歩いていたマツリさんは足を止め、
こちらを向いて、笑顔で手を振ってくれた。



これが、”マツリさん”としての
最後の活動じゃないように、と心から願った。

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