牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹44 ページ44

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重々しい空気からやっと開放されて安心したのかフラッと倒れそうになる。

＿＿＿『今を持って、まふまふから離れろ』

若様から…離れる…。

ズルっと足に力が入らなくてその場に崩れ落ちると自分の無力さに嫌気が差してきた。

このことを知った彼はなんて言うだろうか。

いつもみたいに何も気にしてないような顔をするだろうか、怒る?悲しむ?

どの反応も私の心をえぐることに間違いないのだろう。

「A」

上から飛んできた声に顔を上げるとそらるさんが心配そうに私の顔をうかがっていた。

「大丈夫？まふまふが呼んでるけどこれそ？休憩する？」

あぁ、その優しさがいまはとてつもなく痛い。

…苦しい。

「…大丈夫です。すぐに向かいます。」

壁を使って立ち上がりそらるさんに一礼して私は若様のところに足をすすめた。

……見てしまった。

行き場を無くしたそらるさんの手を、悲しそうに歪めたそらるさんの顔を、

私はなんて自分勝手なんだ。

ズキズキと痛む胸が"もう限界だ"と私に訴えてきてるような、そんな気がした。

明日、さかたを迎えに行く。

そして、若様に離れることを伝える。

それまでは黙っておこう。

彼から離れることは。

…やっぱり私は自分勝手だ。

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