牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹32 ページ32

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「お前みたいなやつが僕に勝てるとでも思ってんの？」

そんな杖で何ができると笑う若様。

「あんまり舐めてると痛い目見るで」

余裕そうな顔つきをしているさかたは杖を両手で持ちくるっと1回転させた。

すると杖からカチッという音がなってスッと刀が出てきた。

「隠し刀…!?」

…だからいつも持っているんだ…その杖…。

「悪いけどAをあんたのところにおいておくわけにはいかんなぁ」

若様に刃を向けて睨みつけたさかたは一歩ずつ若様に近づく。

「はぁ…僕は君と御話がしたかっただけなんだけど…A取られたらこっちも色々と困るんだよね。だから手加減しないよ」

さかた同様刀を向けた若様も一歩ずつさかたに近づく。

そしてお互いが刀を振ろうとしたとき…

「なにしてんの」

お盆を持っているそらるさんが一瞬でさかたと若様の間に入り両者を睨みつけた。

「っ…なんやねんこいつ」

バッとそらるさんから身を引いて私の側に戻ってきたさかた。

「そらるさん…邪魔しないでください」

負けじとそらるさんを睨み返す若様。

「邪魔するな？

ここ(組織内)での戦闘は御法度だろ。そのルールをつけたのは誰？

まさか組織の若頭がルールを破るなんてことはないよな？」

な？と若様に圧をかけたそらるさんは笑っているが目が笑っていない。

「…なんやあいつ…こわぁ…」

うん、私もそう思う。

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