第14話 ページ17
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スガさんが、西谷が拾ったボールのカバーに入る。
旭さんに上げてほしい。
けど、スガさんもずっと悩んできて、それが分かるから、不用意に声をかけられない。
「菅原さん!!!」
彼の名前を呼んだのは、ネットを挟んだ向こう側にいる影山。
「もう一回!!!決まるまで!!!」
影山は、ちゃんとチームのことが見えている。
入部してきたばかりの時とは大違いだ。
だけど旭さんはトスを呼ばない。嶋田さんが手を上げているから、スガさんもそっちにトスを上げてしまうかもしれない。
そのとき。
「スガァ――――――ッ!!!」
「旭…！！」
エースがトスを呼んで、セッターがエースの得意なトスを放つ。
そしてそれを、
打ち切る。
スパイクが、三枚ブロックを打ち破った。
スガさんと西谷が旭さんに駆け寄っていって、その光景を見て、我慢していた涙があふれる。
『ナイスレシーブ！
ナイストス！
………っ、ナイスキー！！』
声を掛けたら、3人が揃って満足そうに笑ってみせるから。
余計に涙が止まらなくなった。
***
それから、スガさんと旭さんの速攻が決まったり、変人コンビの速攻も炸裂したりといった場面を、さっきの余韻に浸りながら見ていた。
そして、いつの間にか1セット目を町内会チームが先取したところで…2セット目。
両チームが何点か取り合った時点で、私は日向君の様子が気になっていた。
ボールは相手チームの上空に舞っていて、旭さんが助走体制に入っている。速攻だってありえるんだし、スパイクがいつ来てもいいように構えなきゃいけないはずなのに、頭をぶんぶん振ったりしてレシーブの体制に一向に入る気配がない。
『日向君‼』
「日向！？」
「えっ」
旭さんが打った強烈なスパイクは、日向君の顔面に吸い込まれていった。
かなり強かったし、頭に響いていたら大変だ。私は急いで氷のうを用意して日向君のもとへ駆け寄った。
「…っ、う〜〜〜〜〜っっ」
「あ、生きてる」
『西谷物騒なこと言わない。日向君、これおでこに』
「あっ、スミマセン！ありがとうございマス！」
みんながわらわら集まって日向君を心配したり、苦笑したり、慌てたり。
そんな中、メラメラと怒りをあらわにしているのが一人。
「…なにボケェーっとしてた…試合中に」
影山が怒鳴らないってことは、これはもしかして、かなりのご立腹だ。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
