４人の鬼さん達に買われまして【浦.島.坂田.船】

鬼が２５体 ページ25

『っ離してください！』




さ「逃げればええやろ？俺は軽く握っとるだけやけど？」




絶対に嘘だ！
坂田さんに掴まれた手を引っ張っても、彼は身動きせずにニコニコ笑って私を見ている。




『離して、ください…っ！じゃないと』




さ「じゃないと？何するん？」




『笛を吹きますよ！』




さ「ふふっ、できるもんならやってみればええやろ？なァ？」




『っ！？』




なんで坂田さんが笛を持ってるの…！さっきまで握ってた筈なのに！

自分の首元を見ても、やはりかかっておらず、彼が持っているのは私のものに間違い無いだろう。




『私のも吸う気、なんですか』




さ「んー、どっちがいい？」




『……は？』




なに、それ。選ばせてくれるって？




さ「俺に全部吸われるか、４人で仲良く吸われて欲しいか…まぁ、あいつらが飲みたいって言ったらやけど。」




『…っ逃すという選択は？』




さ「ンなもん、あるわけないやろ」




でしょうね。でも、まだ死ぬ気はないんですよ！

私は近くにあった瓶を投げつけ、力が怯んだ間に部屋から抜け出して廊下を走る。っ




『あの瓶、爪が沢山入ってたし…っ。ほんっとうに悪趣味！』




せ「坂田は変な所がずれとるからなぁ」




『ッセンラさん！』

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