24 突然。 ページ24
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『そういえば白雪の家、場所は知ってるけど行ったことが無いわー』
という菅田さんの呟きで、飲み直しは家でする事になった。
友人を家に招待する事があまりなかったため、ドキドキである。
居酒屋から5分ほど歩いた所にある、閑静な住宅街の黒い屋根の一軒家。
それが私の家だった。
「でかいなー!さすが稼いでる人は違うわ!」
「大物歌手の菅田将暉が何言ってるんですか……」
「それほどでもないっすよ?」
「またまた」
なんて言いながら玄関を開ける。
「おー、なんか予想通り」
「どういう意味で…?」
「いい意味よいい意味」
「じゃあ……上がってくださいな」
「お邪魔しますー」
「…………邪魔するなら帰ってー」
「はいよー……なんでやねん!白雪もそのネタやるんだ」
「初めてやりました」
「初めて頂いちゃった。……………中も結構部屋数あっていいな」
「…まぁ、元は実家ですからね」
懐かしむように廊下の柱に刻まれた身長を見る。
そこにはAの他にもうひとつの名前があった。
「……………」
「よしじゃあ、飲み直しましょうか。リビングはこちらです」
♢
「……なぁ、白雪」
私はほろよい、菅田さんはチューハイを1缶飲んだ所で、また真剣な顔でこちらを見る。
「俺は本当に心配なんだよ。本当に、本当になんかあってからじゃ遅いでしょ?家来なよ……」
居酒屋の合計も含めて相当飲んでいる菅田さんは先程と同じことを繰り返す。
「まぁ、何かあったときは何かあったときですよ。菅田さんに迷惑かけたくないですし」
「迷惑だなんて思ってない。……米津だって俺と電話で話してる時白雪の事心配してたんだよ?」
「米津さんが?」
それには驚きだ。米津さんとは楽曲を共同で作ったり、飲みに行っただけだったから。
「うん。電話したんだけど繋がらないからって」
「え?」
で、電話?うそだろ?私は知らない。
思わず携帯電話の通知を見ると、5日ほど前から米津さんからの電話の着信が何件かあった。
溜めるタイプだった&携帯をあまり見ない人間な為気付かなかった……
「俺が白雪今日誘ったのも生存確認のためだし」
菅田さんはVサインをしてみせる。
「………………ご迷惑をおかけしました」
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めろにー - 文章の感じ?が凄い好きです!更新頑張ってください! (2020年3月8日 1時) (レス) id: 322030aa25 (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 梟さん» 訂正させて頂きました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月11日 20時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 支度。の最後らへんの「世話しなく」が多分「忙しなく」だと思います。違うかったらごめんなさい (2019年11月11日 20時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 黒井 屑さん» 「え、右利きって伏線あったっけ……」と1話から見直してしまいました… 小説のこともありがとうございます! (2019年10月23日 18時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 梟さん» 楽しみにして頂いて有り難う御座います。失明はドキッとしますよね。米津さんの、キャラ崩壊が凄まじい小説ですがこれからも宜しくお願いします。(貴方の小説楽しみにしています…) (2019年10月22日 22時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井屑 | 作成日時:2019年8月4日 13時