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「(まって無理無理、怖い)」
このまま家に帰ってもいいのだろうか。先程チラッと顔を見たが、誰か分からなかった。
警察_____に言っても実害が無い以上干渉は出来ないだろう。というか大事にしたくはない。
一応形だけのマネージャーさんは居るが、今の時間帯な連絡するするのは迷惑だろうし……。
こんなになると知っていたら私は家で大人しく寝ていたに違いない。
「ハァ……ハァ……………」
早歩き(若干走ってる)でも引きこもり気質な自分は息切れしてしまう。
ストーカー(?)との距離もだんだん縮まって来ていることが足音から分かる。
「(……ッ、一か八か)………………………おりゃ!」
私はビニール袋の中からコーヒー缶を取り出すと思いっきりストーカーの股間にぶん投げた。
途端に膝から崩れ落ちるストーカー。
痛さで悶絶しているのか四つん這いになっている。
「(今のうちに……)」
今度は全力で走り、家に帰る。
一応2個鍵を施錠して、チェーンロックも掛ける。
「ハァ………ハァ…………ゲホ、……マジでなんなんだったんだ…………ケホッ」
ストーカー?熱心なファン?
それとも…………
チラリと、廊下の先にあの部屋を見る。
南京錠で簡単には入ることが出来ないようになっている。
ドアノブには埃が薄ら溜まっていて長年入っていないことが分かる。
自分自身も、【死ぬまで】入ることはないと思っているあの部屋。
過去の閉ざしておきたい記憶と一緒に鍵をした扉は、どうしても重く、汚く、そのものが畏怖の存在のように感じる。
「いや、それは【有り得ない】……か」
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めろにー - 文章の感じ?が凄い好きです!更新頑張ってください! (2020年3月8日 1時) (レス) id: 322030aa25 (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 梟さん» 訂正させて頂きました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月11日 20時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 支度。の最後らへんの「世話しなく」が多分「忙しなく」だと思います。違うかったらごめんなさい (2019年11月11日 20時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 黒井 屑さん» 「え、右利きって伏線あったっけ……」と1話から見直してしまいました… 小説のこともありがとうございます! (2019年10月23日 18時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 梟さん» 楽しみにして頂いて有り難う御座います。失明はドキッとしますよね。米津さんの、キャラ崩壊が凄まじい小説ですがこれからも宜しくお願いします。(貴方の小説楽しみにしています…) (2019年10月22日 22時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井屑 | 作成日時:2019年8月4日 13時