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陸の巻 ページ7






鋭く光る漆黒の目が俺を捉える。

すっきりと真っ赤に染まった唇が微かに動く。明らかに動揺している、面白いわ、こいつ。

だがそんな表情は一瞬。すぐに微笑んで、優しい口調でこう言った。

「そのようなことを聞いてなにになります?」

ふーん、あまり慌てずに自分の気持ちを押し殺す。こいつ、頭がいい。

頭が良くて変に物事を見つめる。遊女や花魁には向いていないかもしれないが、政には向いているかもな。

女らしからぬ女だ。

「そなたの目が他のものと違ってな。」

興味深い。その気持ちだけで俺の心は突き動かされる。

この気持ちがはたして、どっちに傾くのか・・・。

「働くことがつらい、と申したらどうなりますか?」

流石に会話が周りにばれたらいけないと思ったのだろう。なんせ「吉原の愚痴」はここでは御法度。見つかったり聞かれたりしたら家に通告じゃすまないだろう。

明らかのひそひそ話。周りの遊女や花魁達は動揺し始めた。中には

「なんであんな遊女が?」

「津々楽和歌って子でしょ?全然客が入らない子よね?」

ばれていないと思っているようだがばればれの陰口を言っている奴らもいる。

こういうときの女の顔は醜くなるものだ。人の悪口は言うべきでないだろう。

だが、この女は違う。なにもこの世界の汚さを知らないかのような、はたまた全部知っているかのような。

とにかく、「わからない」

でも、さっきの発言を聞いて俺は確信した。いい人材だ。こいつの過去が知りたい。もっとこいつを知りたい。

その思いの一心で、俺は一人の女と話している。

「面白い女だ。」

そう言い残し、俺は女の元を去っていった。

夜も来るか。確か夜のが吉原はすごいんだよな?坂田やまーしぃになんと言われるか。

たった一回あっただけで俺の価値観を変えてしまった女。

「もう一度、会いたい。」

興味というだけでは言い表せない、新たな感情が芽生えたような気持ちだった。

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設定タグ:歌い手 , 和風 , 浦島坂田船   
作品ジャンル:恋愛
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イチゴミルクキャンディ@サブ垢(プロフ) - PE@みたらし団子バカさん» わー!ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年8月18日 19時) (レス) id: e98fc17c66 (このIDを非表示/違反報告)
PE@みたらし団子バカ - 更新頑張ってください! (2019年8月17日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
PE@みたらし団子バカ - これは私の好きな種類の話だ! (2019年8月17日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
いまりちゃん - もでらーと。さん» ありがとうございます!!(パソコンから返信しています。)そしてそしてもでらーと。様は様々な小説を書いていらっしゃるのですね!お星さまが坂田さん色で憧れます(笑)更新頑張ります! (2019年8月3日 22時) (レス) id: 42f8b00619 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - おもしろいです…!私、歴女&crewなので超嬉しい組み合わせです!更新楽しみに待ってます! (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イチゴミルクキャンディ | 作者ホームページ:プロ野球  
作成日時:2019年7月20日 20時

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