念の巻 ページ26
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父上に了承を得た俺は、家臣の元へ向かった。
「あ!うらさんや!」
「遊女さんと祝言するうらたんや〜。」
「黙れ。聞いてるのか?すべて。」
「耳を傍立てて聞いてたで。思わず嬉しくなってしまって行ったんや。うらたさんが女の子に興味を示したから。」
俺が女と接触しようと試みてるだけでこんなに喜ぶとは。よほど俺の祝言を望んでいるのだな。
祝言ではないが、側室という名目でも女を連れてくる。子を産めば自動的に浦田の時期当主。
早く祝言をあげて欲しい、という、こいつらと父上と家康様の気持ちも分からんではないがな。
「それで、うらたん。遊女さんをいつ買いに行くんです?」
「そうだな・・・なんなら今日の夜でもいいんだが・・・・。金が必要だ、家康様の元へ媚を売りに行くぞ。」
満悦に微笑み、家臣を見下ろす。身長の関係で立っているときは見下ろせないが、今は座っているので思う存分にできる。
家臣たちは笑って言った。
「うらたさんの為に媚び売りに行きますか〜。」
「そうやね、浦田の未来の為に、やね?」
「楽しみやな〜。どんな子なんやろ?」
未来の話をしながら家臣三人は笑っている。
戦国の戦乱の世にはありえなかった話だ。戦などを気にせずにこうやって茶を飲んで、笑って。
つくづく江戸は平和だ。と俺は微笑んで畳に腰を下ろした。
「緊張するな〜。」
「坂田が緊張してどうすんねん。馬鹿。」
「なんやて!?センラのアホ!!」
「アホ!?お前に言われたないわ!!」
「まぁまぁ、二人とも落ち着き?」
この会話が家康様の部屋の前で行われている。肝の据わった野郎だ、いや、肝が据わりすぎている。
「煩い。入るぞ。」
家臣たちを制し、ノック音を2、3回ほど繰り返して入室した。
「失礼します。家康様、突然のご無礼をお許しください。」
「渉殿か?いいぞ、入れ。」
「なんや、今日は俺たちは入れてくれないんや。」
俺の家臣である坂田やまーしぃは家康様の部屋には入れない。のだが、いつもは招き入れてくれる・・・・。どうやらご機嫌があまりよろしくないようだ。
今の時間に来たのは間違いだったか、と、俺は下唇を噛んだ。
「要件は_____というか、大体そなたの父上から聞いているのだが。」
「だったら話が早いです。遊女を買うのに最低でも60両ほどいるようです。大変申し訳ないのですが、お金を貸していただけませんか?」
さあどうでるか。俺は家康様が口を開くのを待った。
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イチゴミルクキャンディ@サブ垢(プロフ) - PE@みたらし団子バカさん» わー!ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年8月18日 19時) (レス) id: e98fc17c66 (このIDを非表示/違反報告)
PE@みたらし団子バカ - 更新頑張ってください! (2019年8月17日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
PE@みたらし団子バカ - これは私の好きな種類の話だ! (2019年8月17日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
いまりちゃん - もでらーと。さん» ありがとうございます!!(パソコンから返信しています。)そしてそしてもでらーと。様は様々な小説を書いていらっしゃるのですね!お星さまが坂田さん色で憧れます(笑)更新頑張ります! (2019年8月3日 22時) (レス) id: 42f8b00619 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - おもしろいです…!私、歴女&crewなので超嬉しい組み合わせです!更新楽しみに待ってます! (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴミルクキャンディ | 作者ホームページ:プロ野球
作成日時:2019年7月20日 20時