参拾壱話 ページ32
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自分の状況が何となく分かる。
他の人と違う姿で生まれたら嫌がられるよねぇ。
「生きるの辛いだろうなぁ」
ポツリ呟いたところで目が覚めた。
…意識だけ向こうの方に行ってたんだ。体が凄く重たく、瞼が閉じようとしている。
あー、だめだだめだ。
ここがどこなのか、確認しないと。
ゆっくり体を起こすと檻の中にいた。これは、とすぐにピンときた私がいた。
布が被せられ、回り様子が見えないようになっている。
布の分け目を見つけて檻の外を見ようと手を伸ばすとビリっと刺激がきた。
…むー。
首には何かを付けられていてオークションにでも出されるのかと思った。
いや、確定でしょ。
「よっこらしょーいちろー」
胡座をかいて肘をつく。さてさてー早く迎えに来てくれよー。
「…い、おい、時間だ」
「うにゅ…?」
バシッと頭を叩かれ目が覚めると黒尽くめの男が二人いた。
一人はビリビリと私の服を脱がせようと…と?
「ぎゃぁぁぁああああ!!!!!!!」
「うるせえ!!黙ってろ!!!!」
いやいやいや!!!?
年頃の女の子の服を脱がせようとかすんな!?しかも頭を押さえ付けられて苦しい。
「おい大事な商品なんだよ、もっと丁寧に扱え」
「どうせ弄られんだろ、かわんねぇよ」
笑いながら話す男にムカついた。
口を塞いでいる手をペロッと舐めると塞いでいた男は吃驚して手を離した。
「っ、何すんだ!!!!!」
「触んな」
「あ"?商品が粋がんなよ」
「ゴミが喋んな」
楯突くと今度はお腹目掛けて蹴りを入れられた。
その衝動で胃液を吐く。
「おいっ、お前殺されんぞ!」
「バレなきゃいいだろ。他のやつらも犯したりしてるらしいし」
聞いてて普通にキモい。
そんなことをガキの前で話すなよ。
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コツン、杖の音がする。
『オークションを開始する』
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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月12日 23時