拾玖話 ページ21
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お兄さんのお家に来て何日かたったある日、お兄さんがお仕事で家を開けることになった。
「行ってらっしゃい」
「……やっぱお前も連れて、」
「行ってらっしゃい」
この数日間で見事親バカと化した彼は私が一人でお留守番することに心配しているようだ。
お兄さんは最後まで見送ろうとする私を家に押し込んで行ってしまった。
中に入るのも嫌で、玄関にズルズルと背中を預けて座り込む。何だかんだで一人になるのは初めてだ。
「怖いなぁ」
あの日の、ことを思い出す。
そう言えば私が階段から落ち日も一人だった、な……?
寝室二階なんだな……?
大丈夫なんだな…?
心配なんだな!!!!!!
「レオくん遊ぼう!!!」
「ワン!!」
猫のくせにワンワン言うレオくんは可愛い。もふもふしていてふわふわしている。
近くにある猫じゃらしを手に取り振り回そうとした、ら。
ドゴォォオオオオオン
と地鳴りみたいなのが響いた。
……
なんでわざわざ前振りしたのにわざわざ来るの?
こっちから行く気満々だったんだけど?
そう思いながら隠れ部屋に急ぐ。
レオくんを抱えて走るのは大変だけど最近お兄さんといっぱい遊んだから体力がついてきた。
そして、もうひとつ。
蜃気楼
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レオくんの、異能力。
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傷だらけの少女
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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月12日 23時