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林檎が三個落ちた ページ6

「ん…ぅ………」


目を覚まし、重い瞼を開ける。


「此処‥何処?」


ジメジメとした空気が漂う真っ暗な部屋だった。


そうだなぁ、五分程、思考回路が停止して居た様な気がする。


そして、また廻り始めた思考回路から思い出したのは………


「…そうだ。フェーヂャに…」


詰まらないお話し、聞いてたんだった。


「フェーヂャ?」


『ドンドン』


扉らしき処をドンドンと叩く。



暫く叩いていると、手が痛くなり、休む事にした。


「真っ暗な部屋で一人は怖い、なぁ。」


ブルリと肩を震わせる。


『ガチャ』


ド「遅くなってすみません。少し用意をして居たもので。」


「フェーヂャ!……何故私を此処に??」


ド「ふふ、秘密です。………それより、アクセサリーを着けてあげます。此方へ来てください。」


そう云われ、手招きされる。


何だろう?アクセサリーって。


可愛いのだったら嬉しいなぁ…


小走りでフェーヂャの元に走って行く。


「早く早く!」


ド「ふふ、判りました。」


『ガチャン』


重い重い鎖の様な音。


頭の中で響く警報音。


そして………怪しげに嗤う、フェーヂャの顔。


「え?」


掠れた声が部屋に響く。


少しの沈黙の後、フェーヂャはこう云った。


ド「やっと手に入れた!」


「手に、入れ‥た?」


何を云ってるの?


そんな狂気的な瞳で見ないでよ…


何時ものフェーヂャに戻ってよ……


「、や。……厭…」


叫んで助けを求めたい筈なのに、恐怖の余り、声が出ない。


ド「…もう、離さない。」


「厭、だ……」


その日からは、地獄だった。


陽の光も浴びれず


血を吸われ続け


暴行を加えられ


私はもう翼の折れた鳥の様になってしまった。



閉じ込められてから約数ヶ月。


「あー…あー…ふふ」


心も体も病んでしまった。


「あはは…」


ー貴女は…此処に居たいの?ー


心の何処かで誰かが小さな声で云った。


「そんな訳…無いじゃん……」


ーじゃあ出たら?今がチャンスだよ。ー


『トンッ』


誰かに背中を押された様に身体が揺れ動く。


「………御免ね。フェーヂャ。」


貴方に尽くそうと思った。けど


「私、もう行かなきゃ」


必死に脱獄ルートを考え、一週間後………


この監獄から出る事に成功した。


「外の空気は綺麗だなぁ…」


『グウゥゥ』


「お腹、減った。」

林檎が四個落ちた→←林檎が二個落ちた



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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時

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