林檎が八個 ページ12
また頁をめくる。
『今日は雲ひとつない快晴だった。
けれど、私の前には血や肉片が舞っていた。
私が敵に連れ去られかけて、それをフェーヂャと構成員の人が助けてくれた。
気付くと敵は全員殺されていた。
これも私が迂闊だったからかな?』
敦「酷い…確かに連れ去ろうとしたのは悪いけど、殺さないで捕まえれば良いのに…」
そしたら、Aちゃんの荷も少しは軽かったかも知れないのに…
正直、これ以上頁をめくるのが辛くなってきた。
その所為か、頁をめくる手が震えている。
敦「でも、この中にヒントがあるなら…僕は、」
何だって背負う。
『パラリ』
頁をめくる。
『今日は雪が降った。
その所為か部屋がとても寒かった。でも、フェーヂャがずっと抱き締めてくれたから、寒さなんて途中で忘れた。久々に独りじゃなくて、嬉しかった。』
敦「?…次の頁が最後か。」
『パラリ』
『今日は、晴れだった。
私は、此処を出る事にした。これからは、昔の自分を一旦忘れる為日記は書かない事にした。でも、いつか誰かと一緒に読む為、必要な頁だけ、破って持ってく事にした。
さよなら、フェーヂャ。』
敦「Aちゃん…」
僕が居た孤児院も辛かった。
けれど、Aちゃんが受けていた事は精神的には僕よりもずっと追い込まれていた様な気がした。
敦「Aちゃん、何で云ってくれなかったんだ…」
少し考えると、一つの理由が思い浮かんだ。
簡単だけど、辛い。
そんな理由。
それは…
『僕達に心配を掛けたく無かったから。』
敦「そうだよね…心配は掛けたく無い、よね、」
誰だってそう思う。
敦「でも、一人で溜め込むのは良く無いよ…Aちゃん」
僕はそっと小声で呟いた。
敦「僕、Aちゃんが攫われた場所見てきます!」
僕は探偵社を飛び出した。
一心不乱に走った。
敦「はぁ…はぁ」
走ったお陰で館に着くのは早かった
冷たい風が強く吹いた
敦「何か手掛かりを見つけなきゃ…」
館を歩き回り、隅々まで探した
敦「、クソッ…何で何も無いんだ!」
そう。何も見つからなかった
僕は館の床をドンッと殴った
敦「…これ、何だろう?」
カードの様な物が落ちている
敦「!…若しかしたら、ドストエフスキーの落とした物かも!」
僕はそれを拾いあげ・探偵社に一目散に帰った。
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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時