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捧げ物 ページ5

『あ、いた…!』



あの人魚さんを見つけてから、数日後。

いくつか溜まっていた用事を済ませ、暇ができた私は、また人魚さんに会えるかもと思い砂浜に来た。

そうしたら、なんと前回と同じ場所に人魚さんがいた。船乗り場に腕を乗っけて、その上に顎を乗せて退屈そうにしている。



『人魚さん、こんにちは』



私が声をかけると、瞑っていた目を開けてバッとこちらを見た。その表情には、前のような警戒心は滲み出ていない。そして、私が近付いても距離を取ろうとしなかった。

…なんだか、嬉しそうに見える。



『(もしかして、待っていてくれた…?)』



え、だとしたら、とても可愛くないだろうか。

嬉しくなった私は、こちらを見上げてくる人魚さんの頭を、何回か撫でてみた。

最初はビクッと反応したものの、ちゃんと触れられた。少し下を向いているその顔は、心なしかほんのり赤いように見えた。



『んふふ、よーしよし、可愛いねぇ』



暫く頭を撫でていると、人魚さんは私の持っているものを不思議そうに見つめていた。



『これ気になるの?貴方のために持ってきたんだよ』

「…?」



興味津々なようなので、包んでいた布を開いてみる。

出てきたのは、ワイン、パン、果物、お菓子などなど…
私がこっそり、城のキッチンから盗んで…拝借して来たものだ。

人魚が神格化されているこの国では、人魚に捧げ物をする地域もある。それを思い出したのだ。

城にある食べ物、いくつか持ってきたけど、どうだろう…?そもそも、人魚って何か食べるのかな…?



『これは、こうやって食べるんだよ』



まずまず、人間の食べ物を知っているのか分からないので、お手本として食べてみる。私は未成年でワインは飲めないので、指につけて舐めるだけにした。

すると、匂いが気になったのか、ワインに手を伸ばす人魚さん。

…海の中だと飲みづらそう。



『手で掬ってあげるよ…ほら、どうぞ?』



私の手のひらにワインを注いで差し出すと、戸惑いながらも一口啜った。



「!…ηι∫ρκ」

『え…⁉今、もしかして喋った!?』



人魚さんが喋ったことにびっくりしていると、人魚さんは私の手のひらを掴んで、もう片方の手でワインを指差す。

…あ、もっと欲しいってこと?



『ちょっと待っててね…』



というか、何、今の言語…全然聞いたことない!

言語 中也side→←隣国


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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時

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