サプライズ訪問 太宰side ページ16
「(ふふ…驚くかな、喜んでくれるかな)」
この前訪問した時彼女が食べたがっていた、私の国の伝統的なお菓子を持って来た。
今日は彼女に内緒で急に来たから、きっと驚くだろうなぁ。
彼女の部屋の前に案内され、礼を述べる。ノックしようとドアに近づいたーーー瞬間、知らない男が飛び出してきた。
彼女の、部屋から。
「…は?」
君、誰……
男も私の存在に気づいた。
しかし、私を見たあと思い切り顔を歪めた。というか、睨まれた。え、本当に何、コイツ。何でAの部屋から出てきたんだい。
『あ、ちょっと待って!また靴忘れてる!』
慌てた様子で、中から靴を持って出てきた彼女。
『……あれ!?だ、太宰様⁉』
「…やぁ、A」
『や、やだ…私、今日約束してた?』
「あ…ううん、違うよ。内緒で来たんだ。君を驚かせようと思って」
『なぁんだ…良かった。いらっしゃい、太宰様。来てくれて嬉しい』
柔らかく微笑む彼女。はぁ…なんと可愛らしいことだろう。やはり、私のお嫁さんは、彼女でなければ。
彼女のことを見つめていると、突然あの男が掴みかかってきた。
「おい手前、Aのことジロジロ見てンじゃねェ!」
「わっ…何するんだい君…!」
『あっ!こら、そんなことしちゃ駄目…!離しなさい』
「……チッ」
彼女が叱ると、大人しく手を離し、彼女の隣にピタリとくっつく。
怒られたくせに表情はどこか満足げだ。今まで私と話していた彼女が、自分に意識を戻してくれて嬉しいのだろうか。なんて幼稚な男なんだ。
しかも何だい、まるでAは自分のものだと言いたげなあの態度。腹立つ。
(……本当に何なんだい、この男)
彼女とべったりくっついちゃってさ。
私なんて、彼女と結婚の約束してるんだけども。…いや、本人からは返事貰ってないけど、彼女の父上は承諾してるし。
「君さぁ、どこの誰だか知らないけれど、もう少しAから離れたらどうだい。男性として、女性に迫りすぎるのはあまり紳士的ではないと思うのだけど?」
「うるせェ。手前こそ、この前Aの頬にキスしてただろ。無理矢理したんじゃねェんだろうなァ、あぁ?」
「何で君が知ってるの。もちろん無理矢理じゃないさ。あぁ…真っ赤なA、可愛かったなあ」
「あぁ!?ぶっ殺す!表出ろッ!」
『二人ともやめなさーいっ‼』
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時