ヒロイン-43- ページ45
.
唯の様子が少し可笑しかった。
あの、何時もヘラヘラしている唯が。
ボーッとしていた。
「バカじゃないの」
何時の間にか声に出ていた。
目の前には唯がいて、頭の上にいっぱいハテナを浮かべていた。
そりゃ、そうだね。
私はごめんっと自虐的に笑った。
「何かあった?」
「何もなかった」
「あれか、夏に彼氏が出来たことか」
「いや、私彼氏いるし」
「はぁ!?何それ!!聞いてないけど!?」
「別に、私なんて虫除けだし」
「写真ッ!写真は!?」
「ないよ!つーか、ウゼェよッッ!」
「酷い!心配してるんだよ!?」
「そーか、それはありがとう。しかし、写真はないし、見せる気も会わせる気もねぇから」
「はぁん?!みーたーい!」
私たちは自動販売機の近くでわちゃわちゃしていた。
彼氏っていっても、本当虫除けなだけだし、本命いるし。
まぁ、イケメンだからな。チートだし。
「ねぇ、紹介してよダレか!」
「及川先輩いる?」
「いらないから!!」
「えー。カッコいいのに」
暫く私たちはそこで取っ組み合いをしていた。
.
44人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雛月 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月27日 23時