【 歌い手 】保健室 。【 センラ 】

10 日目 ページ12

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これといって大きな変化がないまま 毎日が過ぎて ､ 気付いたら 夏も終わり頃 。



朝は 少し頑張って保健室へ登校 ､

昼間はセンラ先生と話したり 勉強したり 体調が悪い日は寝てたり ､

夕方になれば センラ先生の車で 私の家まで一緒に帰る 。




生憎 浦田先生と話せたことはないけれど 。




…… あ ､ ただひとつ ､ 変わったことがあるとすれば




さ ｢ せんらぁぁぁあ !!! ｣


せ ｢ またぁ !? ｣




坂田くんが保健室に来る頻度が 明らかに高くなったこと 。




あの日のことで学習したらしい坂田くんは 入る前にノックをするようになった ( 当たり前 ) ので ､ 直接 顔を見た事はないが 。




今日も 元気だなぁ …




カーテンの向こうから聞こえる声に耳をすます ｡





せ ｢ ほんまに気ぃつけや ､ もう高校生やろ ｣


さ ｢ 分かっとるもん !!!! ｣


せ ｢ … そーゆーとこが高校生らしくないんよ ｣



楽しそうな2人の会話を聞くのが ､ 最近の楽しみでもあるのだ 。





さ ｢ …… あ ､ そういえばセンラ ｣


せ ｢ おん ｣


さ ｢ なんや うらさんが探しとったよ ｣


せ ｢ 浦田先生が ､ な ｣




わざわざ強調して言い直すセンラ先生 。




ずっと前 ､


せ《 そんで うらたんがなぁ … 》


《 … ? 浦田先生のことですか ? 》



せ《 いつもそう呼んどるから ……… Aの前だけにしとく ､ …… 秘密やで ? 》


って話したことを思い出す 。




そんな先生も ､ 生徒の前ではちゃんと弁えてるんだなぁ ､ と少し感心 。



せ ｢ 急ぎやった ? ｣


さ ｢ え ､ わからんけど ｣


せ ｢ なら 早めに行っとくかぁ ｣


さ ｢ 多分 職員室におると思う ｣


せ ｢ おう あんがとな ｣



そう言って坂田くんが出ていけば ､ すぐに カーテンを開けて寄ってくるセンラ先生 。




せ ｢ ほんまごめんな ､ あいつがいつも … ｣



｢ 大丈夫ですよ ｣




2人を会話を聞くのは楽しいし ､ それに



｢ …… 先生が手当とかしてるの かっこよくて ､ 見てるの好きです ｣



普段とはまた違う 真剣な姿や手つきはカッコイイ 。



なんて言うと 目を見開くセンラ先生 。


と思ったら 徐々に顔が赤くなっていく 。




せ ｢ あ ､ ありがと … ｣


｢ … ふふ ｣



笑わんでやぁ … と 顔を逸らしながら恐らく照れてるセンラ先生 。



そんなに反応されるとこちらも恥ずかしい 。







それに ､ 少し …… 自惚れてしまう 。

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